オウムからの帰還

オウムからの帰還

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784794206916
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0095

内容説明

1995年4月23日。オウム疑惑が怒濤のように渦巻くさなか、実名と素顔をさらしてテレビに生出演した元出家信者がいた。高橋英利。教団科学技術省に所属していた青年である。幸いにして教団の暗黒部には関わっていなかったが、彼は危険をかえりみず、勇気をもって自分の知るかぎりのことを率直に語り、教団に対する疑念のすべてをぶつけた。その番組終了間際、彼の上司であった村井秀夫の刺殺事件が起こったのである…。その彼による本書は、類例をみない凶悪犯罪を生み出したオウム真理教の実態を、内部にいた者の視点から浮き彫りにした鮮烈な手記である。出家に至るまでの自らの精神的苦悩を赤裸々に語り、サティアン内部で実際に目撃し体験したことを、できうるかぎり冷静かつ客観的な筆致で再現する。これはオウム真理教の真の姿を伝える証言であるとともに、一人の青年の心の内面の記録でもある。

目次

第1章 軌跡
第2章 出会い
第3章 サティアン
第4章 イニシエーション
第5章 秘密金剛乗
第6章 脱出
終章 オウムからの帰還

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山口透析鉄

23
氏の図書館本で読みました。 いわゆる地下鉄サリン事件から1年も経過していない頃に出版された本ですから、著者がどう思い悩みオウム真理教に入信し、出家したものの、疑問を感じて脱退に至ったのか、かなり率直にご自身の言葉で語られていて、生々しく、興味深い本でした。 著者が出ていたTV番組、当時の私も見ていたようにも思います。 この本に出てくる幹部も死刑執行されたり、あるいは既に当時、刺殺されたりで、多くの謎も残ったままですね。本気で反省できた方はいても、組織的な犯罪の結果は消えませんしね。 2023/04/03

新田五郎

5
元オウム信者の手記。著者がオウムで犯罪に手を染めなかったのが「単なる偶然」であるところが恐い。なお、オウムとか宗教とかには関係ない話だがオウムの「グルへの絶対帰依」の危険性が、2000年代以降のサブカルチャーにおいて、それまでベタなおとしどころだった「人を信じる」ということに疑問符やエクスキューズを込めざるを得なかったという実情も再確認できる。そういう意味では、(実際の被害者でない人々にとっても)オウム事件は終わっていない。2012/05/05

3
帰依しながらも疑問を抱き続ける精神力や思考力すごいな…私は信仰ももっていないし何にも帰依していないけれど、何かの拍子に入信したら(※そんなことはないと思っているけれど、何が起こるかは断言できないためこの言い方をしている)、周りの人が帰依しているオウム真理教のような環境で、自分はおかしいと思うことに対して疑問をもち続けることが出来るのだろうか。その疑問を人に投げることもできるのだろうか。2022/04/28

boutiquekouichi

3
教団内部で何が起きていたのかという疑問にズバリ答えてくれるタイプの手記ではなさそうなので読みものとしてはあまり期待できないかと思いきや、ブローカーの存在を疑いたくなるような読ませる文章。納得できるかといえば、それはまた別の話だけど。 適切な表現が思い付かないけど、「あちら側」の人たちを「あちら側」として一線を引けなくなってしまったかも。特に印象的なのは、やはり井上嘉浩死刑囚との繋がり。アーナンダと他のオウム関係者たちの対比が辛い。信仰という形ではなく、普通に(?)出会えていればよかったのに。2012/12/25

TT

2
オウムってどうしようもない。 一般的な信者も闇がふかいのだろうが、麻原へより苛つく。 本作は堅苦しいわけではなく、読みやすく、気持ちが伝わり、とても良い本だった。 2024/01/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/153099
  • ご注意事項