内容説明
身長は人並みだったが体重は68キロから26キロのあいだを振り子のように揺れ動き、一日の大半を食べたり吐いたりして過ごしていた。夫の兄と愛人関係にあった情緒不安定な母親、敬愛していた父親の事故死など幼少時の記憶をたどり、13歳から約20年間つづいた拒食症の日々、そして生命の危機に直面したのを機に回復に向かうまでの内面のプロセスが綴られる。早くから大人の役割を強いられ、つねに周囲の思惑を優先して「いい子」を演じるうちに自分を見失い、現実から目をそむけて生きざるをえなかった著者の心の叫びが聞こえてくる、感動を呼ぶ手記。