内容説明
宇宙形成の種の痕跡は、きわめて微細な温度のゆらぎ、いわば宇宙の「しわ」のようなかたちで観測されるはずである。無数の星々、銀河、そして銀河団の、はるか彼方から届くこの微細なゆらぎを観測するために、著者たちのグループは悪戦苦闘する。地上よりも観測条件のよい高層を求めて高高度気球を上げ、軍の高高度スパイ機“U2”を飛ばし、さらにはスペースシャトルで探査衛星を打ち上げようとする。チャレンジャー号の爆発事故によってこの計画は一時危ぶまれたものの、やがてデルタ・ロケットによって彼らの探査衛星「COBE」は宇宙空間に打ち上げられた。そして1992年。著者たちによる「世紀の発見」の発表がおこなわれた―。
目次
暗黒の奥深く
インフレーション宇宙
宇宙空間の約束
COBE―ひとつの余波
しわとの初対面
科学をするには凄まじい場所
究極の疑問に向けて