内容説明
アメリカが日本に原爆を投下したのは、対日戦を早く終わらせ、上陸作戦による犠牲を避けるためだとされてきた。だが、軍事的観点からは、その必要がなかったことは、今では常識である。また、人種的偏見、ソ連に対する示威も要因としてあげられてきた。しかしながら、これらの理由だけでは、なぜトルーマン大統領が原爆の投下を命じたのかは説明しきれない。本書は、トルーマンの性格と彼の置かれた立場を分析することによって、彼が原爆投下の決定を下すに至る経緯を初めて明らかにした衝撃の書である。
目次
1 まだ過ぎ去っていない過去
2 いくつもの太陽が一度に輝いたようだ
3 「五十万人」のアメリカ人の命を救う
4 「もっとも頭を悩ます問題」―二つの考え方
5 真珠湾を忘れるな
6 責任は引き受けた
7 広島―戦争と人道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cream
2
なぜ非人道的な原爆を広島に投下したのか知りたくて読みました。率直な感想は、人間の欲(ソ連へ向けた示威、新兵器への好奇心)という未熟なものの犠牲となった方たちを思うと何とも言葉にできない思いでいっぱいです。もう取り返しがつかないことですが、私たちは絶対戦争を忘れてはならないし、起こった事実を来世に伝え二度と繰り返さない世界をつくり、それを永遠に保つという使命を果たしていかなければなりません。原爆だけではなく、戦争で犠牲となった全世界の全ての人の鎮魂のためにも平和を維持し守っていく使命を痛感しました。2019/05/03
ねことくと
0
今やもう過去どころか歴史の一部・・・こういったアメリカ視点も含めて、もっと日本人はしっかり知るべきだと思う。しかし、ほんと平和な日本になったもんだ。2017/07/05
ちぬ
0
背景は深く考えたことがなかったので、考えることの良い機会になった。2015/12/19
Kei
0
戦後世界のありかたをめぐる対立がはじまっていたソ連に衝撃を与える必要があった。さらに筆者は、偉大なローズベルト大統領の突然の死により背負わされた当時の大統領トルーマンの性格を分析する。男らしさを示すことを重視していた、と。そして、人種差別主義という背景。World war Ⅱは、今までの戦争とは異なり、人種戦争だった…のか?この本を読みながら、私がこうしてのんきに想いをはせることができる現在があるのだから、悪くなかったといえるのかもしれない。戦を憎んで、ヒトを憎まず!2011/08/11
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