内容説明
旱魃と飢餓の中、青年海外協力隊員は、わが外交官に見下されながら、それでも井戸を掘り続けた。日本の外交や海外援助のありかたに徹底的な見直しをせまる、元隊員の渾身の手記。
目次
序章 雷雨
第1章 ロバと自動車
第2章 駐在事務所の人びと
第3章 首都の暮らし
第4章 リフトバレー地溝帯
第5章 アッサブ
第6章 首都アジスアベバ
第7章 飢えの街道
第8章 飢餓に群がるもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
93
1982年から1986年までの4年間を エチオピアで過ごした記録である。 この時代のエチオピアの雰囲気が今に蘇る。 よく知らない国の歴史と現状が丹念に 描かれる。一年の大半を井戸掘り現場で 過ごした著者が見たものは何だったのか? 革命と飢餓に苦しむ庶民の実態を 今に伝えるノンフィクションだった。2023/09/29
ぱに
2
ここまでエチオピアに詳しい日本人はなかなかいないのでは。とても参考になる。50ページ以上割いて語っているアッサブも、今やエリトリア領で、何とも言えない気持ち。私はエチオピアを表面しか見てないけど、人々の暮らしは今も80年代当時からあまり変わっていないように感じる。検問は今でもあるけど、書類は毎回は見せてなくて楽になったかも。飢餓民減っていると良いのだけど…。アムハラ、ティグレ、オロモの関係が分かりやすいし、納得。井戸掘りについては全く知らないけど、ふーんと思いながら読めた。2021/10/07