内容説明
丹念に描かれた町のたたずまい。鳶、紺屋、居酒屋の女将など、仕事を通して語られた下町の暮し。震災にも戦災にも焼けなかった町・根岸を通して見た東京論。
目次
鳶の頭 親子2代(野口義博;野口義明)
伴纒の藍染め(林満治)
居酒屋の女将(清水敏子)
三味線の皮張りと撥直し(渡辺一二)
路地裏のおもちゃ屋(川崎英夫)
木綿豆腐の肌理(熊井守)
装飾品の石止め(山口友一)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuo Ebihara
1
関東大震災と東京大空襲により、東京の中心部は殆ど焼き尽くされたが、根岸三丁目と下谷ニ丁目の一部は焼けずに残ったという。根岸に暮らす七つの職業の方から仕事の話を聞き纏めた。 登場したのは、鳶職の頭、藍染め屋の主人、居酒屋「鍵屋」の女将、三味線屋の主人、おもちゃ屋の店主、豆腐屋の店主、指輪の石止め職人。明治、大正、昭和初期生まれの方々ばかりだ。其々、二段組みで30ページ前後とたっぷり。 根岸に残る江戸情緒に溢れた建物、風景、暮らしぶりを伝える沢田さんの絵も素晴らしい。 2024/06/23