目次
人間らしい生活と人間らしい働き
第1部 市場神話は私たちに何をもたらしたのか(「市場原理主義」の失敗と働く基盤の喪失)
第2部 これからの人事労務に必要なこと(混乱と混迷、動揺する成果主義―いま、人事・賃金制度に必要なこと;フリーターは人間らしい働き方か―現代日本における非正規雇用の問題;ホワイトカラー・エグゼンプション制度は時代の趨勢か―長時間労働からの脱却)
第3部 サスティナブルな働き方―スウェーデンの場合(スウェーデン企業のリーン生産導入は何を意味するのか―仮説的検討)
著者等紹介
木元進一郎[キモトシンイチロウ]
経営学博士、明治大学名誉教授。1927年12月生まれ。1950年明治大学商学部卒業。1953年明治大学経営学部専任講師。以後、助教授、教授として明治大学経営学部に勤務。1996年3月明治大学を定年退職。1996年4月浜松大学大学院経営学研究科長に就任。1999年4月浜松大学学長に就任。2003年3月浜松大学を定年退職
茂木一之[モギカズユキ]
高崎経済大学教授。1948年生まれ
黒田兼一[クロダケンイチ]
明治大学教授。1948年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
10
ディーセント・ワークにむけて、雇用問題や労働組合の課題など、問題提起されています。内容では、成果主義制度はディーセント・ワークとは程とおい制度であり、賃金制度とは何かが看過されており、賃金制度とは人事労務管理制度の一つであると同時に労使関係の産物であると述べられています。働く側にとっての賃金とは何かを深く考えなければならないと思いました。また、労働組合の問題では、企業別労働組合からの脱却の重要性が示され、同一価値労働同一賃金の重要性が述べられていました。2014/07/24
神紙
1
編者の一人である茂木一之先生が以前、推薦されていたので手に取りました。市場原理主義が雇用、労働に入り込んだことによって誕生した成果主義、その成否とこれからを問う一冊。現状、ホワイトカラーエグゼンプション制度が、仕事を時間でなく成果で評価する制度として大手新聞等で紹介されている(もちろん成果主義に変遷することとイコールではない)なかで、この一冊は非常に示唆に富んだものとなるはずです。できるなら大学一年か二年のときに読んでおきたかったな……。2015/02/22