内容説明
漱石文学発祥の地ロンドン。明治三十三年(一九〇〇年)九月の出発から二年余ロンドンに留学した夏目漱石。百年を経た今日、あらためてその全貌を明らかにする。足跡の総べてを訪ねた筆者は、豊富な資料と写真を掲げ、居ながらにして当時の漱石と周辺を甦らせる。
目次
留学への旅立ち
第一の宿 ガワー・ストリート
第二の宿 ウエスト・ハムステッド
第三の宿 フロッドン・ロードと周辺
第四の宿 ツーチング・ステラ・ロード
第五の宿 ザ・チェース
スコットランドの旅
帰国の途 ロイヤル・アルバート・ドック
著者等紹介
稲垣瑞穂[イナガキミズホ]
1925年鳥取県生。1951年京都大学文学部文学科国語学・国文学専攻卒業、同学大学院修了。静岡県立大学名誉教授。1976年から1987年まで文部省および県立大学在外研究員等でたびたび渡英、大英図書館東洋書籍写本部(O.M.P.B)で、中世以降の和漢書を調査する一方、1980年以後さらに渡英を重ね、角野喜六氏の跡を承けて2000年ごろまで留学時代の夏目漱石の足跡を探求、特に「漱石とスコットランド」に関して詳細に調査、従来盲点とされていた問題を究明。専門の国語・国文関係の論考のほか、漱石と英国留学についての論文等多数
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