目次
第1章 江戸初期から存続した潜伏キリシタン村落
第2章 潜伏キリシタン村落は、どうして発覚したのか
第3章 潜伏キリシタン村落に送り込まれた庄屋
第4章 庄屋のキリシタン探索日記
第5章 潜伏キリシタン村落の隠密たち
第6章 幕府に通報された六千人の潜伏キリシタン
第7章 ベールを剥がされた潜伏キリシタン村落の信仰
第8章 さらに出てきた潜伏キリシタンの村
第9章 改竄された潜伏キリシタン事件
著者等紹介
吉村豊雄[ヨシムラトヨオ]
1948年佐賀県生まれ。熊本大学名誉教授。博士(文学)。専門は日本近世史。『日本近世の行政と地域社会』(校倉書房)で第12回徳川賞(2014年)、『棚田の歴史』(農山漁村文化協会)で第36回熊日出版文化賞(2015年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまご
12
知恵伊豆に引き続き.島原の乱よりもっと下がった,19世紀初頭の天草のキリシタン発覚の事件簿です.転ばせようと送り込まれる新たな庄屋,天草の中の身分格差,隠れてミサを行う村の様子を探る庄屋と村人,異仏判定のために来たお坊さんがやりすぎて総スカンされる…この本だけでも十分面白いですが,小説でも読んでみたい! 同じころの長崎浦上のキリシタン発覚→弾圧とちがい,天草では重罰もなくうまくまとまり,島原藩なんて幕府から褒められるわ,キリシタンたちから感謝されるわ.この島原藩のしたたかさ,今の日本外交参考になるかも? 2018/01/12
J.T.
6
天草の教会巡りをしたときに湧いた疑問があり、この地方の隠れキリシタンの本を読み始めましたが、なかなか読み進めることができず、この本が2冊目。同じ記述がなんども繰り返されることが多いのですが、途中から物語のようにスリリングな展開になっていき、最後まで読みました。当時と比べて、一般の格差は少しは埋まってきたけれど、それ以外の日本社会の性質は今も昔もほとんど変わっていないようで驚きです。2020/09/01