内容説明
「自己決定権」という美名に潜む落とし穴とは?「多極(多元)主義」的政治観をベースに、権力関係に敏感な新しい人権理論を構築する意欲作。憲法・政治哲学・社会学・学校教育―学際的アプローチによる多方向からの徹底した「自己決定権」批判は、現代人必読の書。
目次
第1章 「多元主義」理論の歴史と「多極競合的人権理論」の概念
第2章 「多極競合的人権理論」の内容と意義―「自己決定権」論の対極的理論として
第3章 自己決定権をめぐる基本的な問題点―「多極競合的人権理論」を踏まえて
第4章 「性の商品化」と性差別―「性的自己決定権」論と権力関係の軽視
第5章 「危険な行為」とパターナリズム―「自己決定・自己責任」論を超えて
第6章 「死ぬ権利」をめぐる考察―「危険な行為」をめぐる各論・その1
第7章 代理出産契約をめぐる考察―「危険な行為」をめぐる各論・その2
第8章 学校教育をめぐる「自己決定権」論批判―総論
第9章 『学校解放新聞』の研究―反管理教育運動の歴史を再検証するために・事例研究
第10章 おわりに―「多極競合的人権理論」と、その権力観・国家観について
著者等紹介
平岡章夫[ヒラオカアキオ]
1975年神奈川県生まれ。国立国会図書館入館後、2003年、早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程(現代人権論研究指導)進学。人権理論を憲法・政治哲学・社会学などの各領域から学際的に研究。早稲田大学エクステンションセンターで、2008年、オムニバス講座「今、憲法を考える」担当講師。現在国立国会図書館副主査。博士(学術)(早稲田大学)。所属学会:日本公法学会・全国憲法研究会・早稲田社会学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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