内容説明
本書は、日本国憲法の価値秩序の内容を構成する諸原則のうち、租税法を支配・統制する租税平等主義と租税法律主義の射程距離を明らかにすることによって、租税正義の実現のための理論を提供することを目的とする。換言すると、前者の租税平等主義が憲法一四条を法的根拠とし、後者の租税法律主義が憲法三〇条及び八四条を法的根拠とするところから、これらの憲法規定の意味内容と、その効力範囲を検証し、解明していくことが本書のコンセプトである。
目次
第1部 租税法における憲法保障の理論と実際(租税法における違憲審査の理論と実際;給与所得者の権利救済の理論と実際)
第2部 租税法律主義の形骸化の危機(法の一般条項の適用と租税法律主義;租税行政立法の氾濫と租税法律主義;アメリカの租税行政立法と租税法律主義 ほか)
第3部 租税平等主義と租税法律主義の相克(会社合併にみる租税平等主義と租税法律主義の相克;特殊関係者間取引をめぐる租税平等主義と租税法律主義の相克;租税回避行為の否認をめぐる租税平等主義と租税法律主義の相克)
著者等紹介
増田英敏[マスダヒデトシ]
現在、拓植大学教授。法学博士。日本学術会議公法学研連委員第18期、日本税法学会常務理事。1956年茨城県に生まれる。1983年法政大学大学院社会科学研究科修了。主要略歴、1993年~1994年財団法人租税資料館及び拓植大学の留学助成を受け、1年間、米国ワシントン大学法律大学院客員研究員として、アメリカ法人所得税を研究する。1998年著書『納税者の権利保護の法理』(成文堂1997年刊)にて、第7回租税資料館賞受賞。その功績により拓植大学総長表彰。1999年慶応義塾大学大学院より法学博士の学位を授与される。2001年~2002年米国ハワイ州立大学経営大学院客員研究員として租税戦略論や憲法と税法の関係を研究する
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- かもしかみち以後