目次
第1章 自然法論者のトマス解釈
第2章 賢慮の語られる文脈
第3章 賢慮の優越
第4章 自然法
第5章 現代倫理学における意義
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
トマスは自然法者ではなく、徳倫理学者であるという大胆な読み返し。2〜3章は相当専門的。徳倫理学書は最近かなり翻訳されてきているが「徳に関する道徳的伝統を復活させ復権させようとする…政治哲学の気鋭の批評家たちによって始められた最新の論争に参加」した書物。著者はマッキンタイアやハワーワス、サリヴァンを挙げる。ロールズには批判的。コミュニタリアンに近いか。「トマスの叙述はどうも時代が遠すぎる感じがするが、それは彼の書くものが現代文化には馴染みがないというだけのことであって、論述の力が不足しているからではない」2015/09/24