内容説明
本書は、憲法学の脱倫理的転回を大胆に試みる刺激的な体系書である。従来の人権体系が依拠してきた、倫理的で人格的な存在としての人間像は正しいか。なぜ、憲法学は、人間の倫理性・人格性を強調せざるをえなかったのか。この疑問から、新たな人権体系の構築に向けて翔び立つ本書に、読者は強靱な思索を見出すだろう。
目次
第1部 自由と基本権の基礎理論(法学と哲学との狭間で;人権思想の展開;自由と人権とを支えるもの;正義・平等・自由;権利と人権の捉え方;「基本的人権」の類型)
第2部 基本権各論(「基本的人権」保障の一般原則;「公共の福祉」―権利行使調整のルールのためのルール;「基本的人権」の享有主体;基本権の効力〈法的拘束力〉;「個人の尊重」と幸福追求権―一三条の解釈;平等原則―一四条の解釈;思想・良心の自由;信教の自由)