内容説明
芸術活動の根源に横たわるイマジネーションやイリュージョンが、時代や社会の動きのなかで、どのように生みだされ、展開するか、その相関を刻明に跡づけ、〈近代〉の意味を具体的に解きほぐす犀利な論攷。
目次
近代芸術の社会学序論―芸術家とパトロン
ゴヤと近代芸術の革命
花のない夢―ターナーの生涯と芸術
ターナー、光と闇のドラマ
芸術の革命家、写実主義者アングル
ドラクロワ、その色彩のドラマ
デッサン家、ドラクロワ
ドラクロワ「サルダナパールの死」
農民画家ミレー
マネ、市民社会のなかの革命家
社会のなかのひとつの「眼」―『アルジャントゥイユのモネ』をめぐって
アンソールとその時代
詩と絵画―変貌する裸婦像
『知られざる傑作』をめぐって
エンデュミオンの眠り―バルザック『サラジーヌ』
社会のなかの芸術家―バルザック『ピエール・グラッスー』
ピグマリオンの変貌
「宿命の女」としての裸婦―ゾラ『作品』