出版社内容情報
ジェノサイドと気候破局の接合点に迫る??――ドイッチャー記念賞作家による挑戦的試論。
一八四〇年、イギリス帝国はパレスチナの港町アッカーを粉砕した。それは、石炭で駆動する蒸気船が世界ではじめて大規模に投入された瞬間だった。パレスチナへの連帯は、化石資本主義と入植者植民地主義というふたつの歯車を止めることであり、沸騰状態にある地球を救うことである。化石燃料とその利益を至上のものとするシステムのもと、破壊と粉砕をもたらすグローバルな構造的暴力「ビジネス・アズ・ユージュアル」の歴史と本質に迫る、いま必読の書。
*補遺「タンクの壁を叩く--パレスチナの抵抗について」(訳=中村峻太郎)を収録。
【目次】
内容説明
「資本主義の「中心」は、暖炉に燃料をくべ続け、ガザに爆弾を運び続けている」1840年、イギリス帝国はパレスチナの港町アッカーを粉砕した。それは、石炭で駆動する蒸気船が世界ではじめて大規模に投入された瞬間だった。パレスチナへの連帯とは、化石資本主義と入植者植民地主義というふたつの歯車を止めることであり、沸騰状態にある地球を救うことである。交錯し、影響し合う構造的暴力の本質に迫る、いま必読の書。
目次
序文 無制限
パレスチナを破壊することは、地球を破壊することである(初めての先進後期資本主義ジェノサイド;粉砕様式;わが国には貴国を粉砕する力があると心得よ;粉砕されたアッカー;支配下に置かれたエジプト ほか)
パレスチナ抵抗組織に関するいくつかの異論への反論(抵抗組織の左側で;個人的な覚え書きについて;化石燃料を利用するパレスチナ、利用しないパレスチナ;入植者の殺害について;現存するハマースについて ほか)
イスラエル・ロビー説への異論に対する反論
補論 タンクの壁を叩く―パレスチナの抵抗について(訳=中村峻太郎)
著者等紹介
マルム,アンドレアス[マルム,アンドレアス] [Malm,Andreas]
ルンド大学人文地理学部准教授。専門は人間生態学。著書『化石資本』(Fossil Capital,Verso Books,2016)でドイッチャー記念賞受賞。2021年刊行の著書How to Blow Up A Pipeline(邦訳『パイプライン爆破法』月曜社、2021年)は、気候運動をラディカルな闘争の歴史に位置づけるとともに、直接行動と財物破壊を擁護して世界的な注目を集めた
箱田徹[ハコダテツ]
神戸大学国際文化学研究科准教授。専門は思想史・現代社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。