出版社内容情報
言葉の海へ、意味の外へ
「書物のなかにありながら、意味するものにはとらわれず、意味するものとはまったく無縁に、言葉の海を泳ぐ魚がいる。紙の魚。紙魚(しみ)」(「まえがき」より)。 宮沢賢治、大江健三郎から、荒川弘、こうの史代まで--かれらの〈テクスト〉のなかにかろうじて痕跡をとどめる、けったいなもの、不器用なもの、たよりないものたちに目を凝らすことで、意味に絡めとられたこの世界に、わずかな綻びをもたらす。『空腹について』『エコ・ロゴス』の著者がおくる渾身の思想エッセイ。
内容説明
武田百合子、こうの史代、石牟礼道子、細田守、赤塚不二夫、立川談志、やなせたかし、荒川弘、宮沢賢治、大江健三郎、瀬戸内寂聴―かれらの作品世界のなかでかすかに蠢いている、けったいで、不器用で、たよりないものたち。それらに耳を澄ませることで、意味に絡めとられたこの世界に、わずかな綻びをもたらす。渾身の思想的エッセイ。言葉の海へ、意味の外へ。
目次
1(終わらない確認;覚え損ねたあのひとの記憶/書き留められた大文字の歴史;たじろぎ、あわいに立つものは)
2(モンスターとはなにものか;前のめり、つんのめって…;Too Late To Die!)
3(不格好で弱くあるきみは…;哀しみを背負うものたち―等価交換の不/可能性;木はおぼろでひかりは惑ひ)
4(菊の花弁は増殖し…;NOWHERE=NOW HERE―物質の海へ)
5(場所―死者と生者と)
著者等紹介
雑賀恵子[サイガケイコ]
京都薬科大学、京都大学文学部を経て、京都大学大学院農学研究科博士課程修了。専門は農学原論、社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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