出版社内容情報
芸を書き残す
笑福亭松鶴、桂米朝、正岡容、桂春団治、桂枝雀、秋田實、竹本住太夫、大西信行、肥田晧三、織田正吉、淀川長治…演者から作家、興行師まで、上方芸能を形づくってきた人々と場所の記憶。読めば語りを思い出し、読めば空気の匂いを思い出す、ときに幕内から書き綴ってきた一級の筆による「芸」をここに集成する。
内容説明
笑福亭松鶴、桂米朝、正岡容、桂春団治、桂枝雀、秋田實、竹本住太夫、大西信行、肥田皓三、織田正吉、淀川長治…。演者から作家、興行師まで、上方芸能を形づくってきた人々と場所の記憶。読めば語りを思い出し、読めば空気の匂いを思い出す、ときに幕内から書き綴ってきた一級の筆による「芸」をここに集成する。
目次
上方落語史上の人々(笑福亭松鶴と桂米朝;不思議なるかな正岡容 ほか)
上方落語の人々(米揚げ笊;大阪の風物詩に―桂ざこば一門 秋のらくご祭 ほか)
上方漫才と諸芸、文化の人々(漫才作者秋田實の孤独;秋田漫才の終焉―喜味こいしさんを悼んで ほか)
上方の興行史上の人々(吉本興業の戦略・前史;法善寺花月のはなし ほか)
大阪、神戸の映画館その他(大阪の名画座「大毎地下劇場」;大毎地下名画鑑賞会 ほか)
著者等紹介
戸田学[トダマナブ]
1963年、大阪府堺市生まれ。2004年、よみうりテレビ「第33回上方お笑い大賞・秋田實賞」受賞。現在は映画や芸能を中心にした著述で活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
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上方芸能に関する戸田学の著書の多くは、評論という意味合い以上に芸人の、あるいは芸の記憶を後世に残すという意味を強く感じさせる。本書が随筆と銘打たれているのも、評論という高い位置から書かれたものよりも、エッセイという身近なスタイルから読者に芸人を知ってもらおうという、そんな戸田の姿勢を覚えるのだ。戸田のこだわりはずっと上方落語四天王にあり、中でも六代目笑福亭松鶴と三代目桂米朝の関係性に熱い眼差しが注がれている(さらに言えば、米朝の師である正岡容の存在とその功績にも戸田は注目する)。(つづく)2024/08/02