出版社内容情報
鏡に写った姿を自分だと認識できるのは人間だけなのだろうか?
19世紀後半以降、科学者たちは人間・幼児・動物・ロボットを鏡の前に立たせ、自己認識の兆候を探ろうとしてきた。鏡は私たちが人間であると言える要因を探る可能性のある手段として機能してきたからだ。そして、人間を人間たらしめるものは何かと言う疑問に答えるため、精神医学・精神分析学・発達心理学・サイバネティックス・文化人類学・神経科学を専門とする研究者たちはそれぞれの立場からミラーテストを利用してきた。そしてそれらの研究が人間の独自性を解明することができたのかどうかを最新の研究成果をもとに描く。
内容説明
鏡像自己認知テストから鏡像段階、ミラーニューロンまで。18世紀後半以降、人間を人間たらしめるものは何かという疑問に答えるため、精神医学・発達心理学・サイバネティックス・文化人類学・神経科学を専門とする研究者たちは人間、動物、そしてロボットまでを鏡の前に立たせ、自己認識について探ろうとしてきた。それらの研究は人間の独自性を解明することができたのだろうか。知られざる自己認知の歴史を、気鋭の科学史家が描く。
目次
はじめに 逍遙しながらの実践
第1部 自己同定(鏡に映る我が子―鏡像自己認知テストの出現;突然ではなく、だんだんと―児童心理学、ジェンダー、鏡のあいまいさ;踊るロボット―グレイ・ウォルターのサイネティックミラー;サルと鏡と私―ゴードン・ギャラップと自己認知の研究)
第2部 誤認(実現しなかったミラーテスト―ラカン、自我、象徴的なもの;ニューギニアには鏡がない―エドマンド・カーペンターと「部族民」問題;身体イメージの疾患とあいまいな鏡;不完全な反射―ミラーニューロン、感情、そして認知)
おわりに 実験の失敗
著者等紹介
グンター,カーチャ[グンター,カーチャ] [Guenther,Katja]
プリンストン大学教授(科学史)
飯嶋貴子[イイジマタカコ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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