出版社内容情報
人間は群れたがる生きものである。でも、だからこそ、僕たちには違和感を忘れないための訓練が必要だ。
過剰に安心・安全が求められるセキュリティ社会。不安や恐怖を煽られたひとびとは、群れ、馴れ、そして個を失う。その先に待ち受けていたのが、政権の暴走であり、死刑の追認であり、「自粛警察」の跋扈だった。
集団化に走る社会の「歯車」になることを拒み、負の歴史がつくってきた轍を二度と踏まないために。反骨のドキュメンタリストが倦むことなく違和感を表明してきた、この6年間の思考の記録。
内容説明
政権の暴走、死刑の黙認、匿名の誹謗中傷―根源にあったのは「集団化」だった。一人称単数を徹底して貫き、倦むことなく違和感を表明してきた、ゆるぎない思考の記録。
目次
2017 煽られる危機
2018 「馴れ」の果て
2019 個を欠いた社会
2020 自ら従う人びと
2021 上滑りすることば
2022 ゆらぐ正義
著者等紹介
森達也[モリタツヤ]
映画監督・作家。1956年、広島県生まれ。1998年、オウム真理教のドキュメンタリー『A』を発表。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。その他の監督作品に、『FAKE』、『i―新聞記者ドキュメント―』(第94回キネマ旬報ベスト10(文化部門)1位)など。『A3』(集英社文庫、第33回講談社ノンフィクション賞)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)など、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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