出版社内容情報
第三次世界大戦前夜の世界で、真に考えるべきこととは?
セックスロボット、反ユダヤ主義的シオニズム、クリームなしコーヒーとミルクなしコーヒー、ナイトクラブと性的同意、ポリティカル・コレクトネス、毛沢東主義、デジタル管理社会、LGBTQ+、幸福学、トランプ、環境危機、難民・移民、プーチン、MeToo、ノマド的プロレタリアート、自由としての不自由、ヨーロッパの理念、ポピュリズム、ファーウェイ、新世界秩序――縦横無尽の分析から導かれる、混迷の世界の羅針盤!
内容説明
第三次世界大戦前夜の世界で、真に考えるべきこととは?縦横無尽の分析から導かれる、混迷の世界の羅針盤!
目次
序 共産主義の視点から
グローバルな混乱
西洋…
…とその他
イデオロギー
付録
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ] [〓i〓ek,Slavoj]
1949年スロヴェニア生まれ。哲学者。リュブリアナ大学社会科学研究所上級研究員。ロンドン大学バークベック人文学研究所インターナショナル・ディレクター。ラカン派精神分析とヘーゲル哲学を武器に、政治経済学批判において新たな地平を切り拓き、文学や映画をも縦横無尽に論じている
勝田悠紀[カツタユウキ]
1991年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程在籍。専門は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
42
ふうむ…読んでいて感じたのは、今私たちの人生は膨大な情報に振り回されているということ。溺れそうになって助けを求める相手はAIか同志で「こういう情報がいいよね!?」と振り分けてくれちゃう。みんな小さな鎖国状態。既存のメディアが、政府がそんな状態だったら、どうしたらいいの?…そこを真剣に考えている人が「左翼」と呼ばれることになるのは現在の流れなのかもしれない。膨大な情報に取り囲まれ、私たちは「いま!」を追い続ける。数週間前が風化しているような時代に生きているのでは?と読後呆然。理解出来た気がしない。2022/10/16
→0!P!
2
共産主義という手札を失った左翼は、右翼ポピュリズムに対してリベラルで対抗するのだが、これはいずれも資本主義・民主主義の枠内での争いであり、この枠組み自体が要因となった問題を解決することができない。右翼ポピュリズム自体はいつの世にもあったものであり、右翼ポピュリズムの矛盾をつくことは根本的解決にならず、左翼の手法としては悪手である。世の右傾化の原因は、左翼の理論武装が稚拙だからであり、左翼は今こそ問題に真摯に向き合うときである。2023/08/12
sucksuckhello
2
ジジェクの動画から本を読んでみたくなり購入。訳者があとがきで入門編でもあると言っているように、2017年から2021年にかけての世界各地の政治的なトピックを多くの左派リベラル(主にここで言及されてるのはMeToo や LGBTQをイデオロギーの対立軸として持ち出す動き)とは別の観点から批判的に分析している本。トランプの問題はトランプそのものにあるのではなくトランプ的なものを産み出す背景をこそ批判すべきだ、というのは、日本における安倍晋三人気と野党の解体劇と通ずる。た。2023/02/26
chiro
1
「あえて左翼と名乗ろう」という題名に込められた姿勢が現今の欧米諸国が右翼的ポピュリスティックな主張をする勢力が漸増しつつある状態に対するものである事は理解できるし、ここの収められている34のトピックについての著者のスタンスもそれを映しているものである。「左翼」が大勢を占めるというのは日本でもまた米国でサンダースに対する支持が大統領候補にまで繋がらないことも含めてやむなしという感は否めないが「あえて」という姿勢で臨まなければいけないレベルまでポピュリスティックな勢力が力をつけているという事なのだろう 2022/11/15
さしま
0
ジジェク2022/10/22