出版社内容情報
本当にわかりあえるのか。わかりあってしまってよいのか。
「ロボットはきちんと操縦できるほうがいい」「AIは「正しい答え」を導いてくれるほうがいい」……そんな常識は打ち捨てて、「他者」としてのロボット/AIに対峙してみるとどうなるのか。人間とロボットとの本当のインタラクションを目指して描かれる、ロボット工学の新展開。
内容説明
「ロボットはきちんと操縦できるほうがいい」「AIは「正しい答え」を導いてくれるほうがいい」…そんな常識は打ち捨てて、「他者」としてのロボット/AIに対峙してみるとどうなるのか。人間とロボットとの本当のインタラクションを目指して描かれる、ロボット工学の新展開。
目次
第1章 他者の工学
第2章 異類の工学
第3章 異界への案内人としてのロボット
第4章 ロボットにとっての「信頼」
第5章 「ロボット殺し」が切り開くHAI
第6章 教室の中の天然知能的ロボット
第7章 これからのHAIに向けて
著者等紹介
松井哲也[マツイテツヤ]
1985年生まれ。専門はヒューマンコンピュータインタラクション、認知科学、コミック工学。神戸大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻博士後期課程卒業(理学博士)。国立情報学研究所コンテンツ科学研究系特別研究員、成蹊大学理工学部情報科学科助教を経て、大阪工業大学ロボット工学科特任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ニッポニテスは中州へ泳ぐ
7
☆=4/5 郡司ペギオ幸夫言う所の天然知能を、主にロボットと人のインタラクションに採りいれた場合期待できる効果等について。 全体的に「文脈の外部から来るもの」のポジティブさに焦点があてられています。 なのでより立体的に他者概念を見てみたいと思われる方には「外部(他者)」が私に対して持つ暴力性について掘り下げている本(『メディオーム』がかなりオススメです)も合わせて読んでみるのがよいかも。 2022/06/09
rubidus
1
ヒューマンエージェントインタラクション(HAI)という言葉を初めて知った。工学系なのに、神や莊子が出てくるのも以外だったが、人との関わりを研究するにあたっては、哲学的・思想的な観点が必要なのだと気づかなかった自分の幅の狭さを実感した。2022/09/08
2n2n
1
大量のデータと正しいロジックによって、不確実性の極力少ないロボットをデザインするという従来の発想を批判し、ロボットを「異界」の存在としてデザインすることを提唱した本。つまり、人間にとってまったく予測不可能・理解不可能なロボットをデザインすることで、ロボットの持つ可能性を広げるという着想である。著者はロボット工学者だが、「異界」の存在としてのロボットを論じる上で、「異界」という概念を掘り下げるために、神隠し・天狗隠しやUFOなどオカルト研究の話まで語っていたところが、予想外に面白かった。2022/07/22