出版社内容情報
ポストモダン社会における新しい貧困
従来の社会福祉学で前提とされてきた「貧困とは必ず中核に経済的な貧しさを伴う」という概念に疑義を呈し、「実存的貧困(existential poverty)」という新たな貧困概念を提唱する。気鋭による画期の書。
内容説明
従来の貧困理論を再検討し、大きな物語が喪われた時代の実存的不安を質的調査で明らかにする。真のソーシャルワークを行なうために「実存的貧困」という新しい貧困概念を提唱する気鋭の一冊。
目次
序章 はじめに(社会的排除論の陥穽)
第1章 「貧困理論」の再検討(「実存的貧困」:新たな貧困概念の提唱;社会福祉の新しい支援対象としての「性風俗産業従事者」)
第2章 研究の背景:「大きな物語」の喪失と「実存的不安」(ポストモダン、新自由主義、そして消費社会;フェミニズムの限界:「可哀想な被害者」と分かりやすい性的搾取の構図;性風俗産業従事者と社会的排除:「廃棄された生」;質的研究(五二人のインタビュー+アンケート調査)のまとめ)
最終章 研究の総括:ホネットの承認論に基づく新たな「貧困理論」の構築(社会福祉の支援対象としての「性風俗」;結論:「実存的貧困」概念による「貧困理論」の再定義)
著者等紹介
原田和広[ハラダマサヒロ]
1973年山形県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部(SFC)卒業後、98年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)大学院で政治学修士号取得。2000年にケンブリッジ大学大学院歴史学部国際関係学科でヨーロッパ学修士号取得。帰国後、公共職業訓練やシングルマザー限定シェアハウス等のソーシャル・ビジネスを展開する株式会社セラフィムを起業し、現在代表取締役。2019年東北福祉大学大学院総合福祉学研究科博士課程修了。博士(社会福祉学)。社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、保育士等の国家資格を持った社会福祉臨床家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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