出版社内容情報
人間、獣、鳥、魚の話から星や月、おばけの話まで
数十年にわたるコタン探訪の旅のなかで、長老たちより物語られた民話の集大成。「人間の創造」「死の国の話」「うっかりもののカワウソ」「カになった英雄」「シシャモ物語」「化物退治」「丸木舟の争い」(目次より)
解説:中川裕
内容説明
人間創造からお化けの話まで。数十年にわたるコタン探訪の旅のなかで、長老たちより物語られた民話の集大成。
目次
人間の話
獣の話
鳥の話
魚の話
虫の話
蛇や蛙の話
星や月の話
お化けの話
草や木の話
著者等紹介
更科源蔵[サラシナゲンゾウ]
1904年、北海道弟子屈町の開拓農家に生まれる。麻布獣医畜産学校に学ぶ。詩人・随筆家として、またアイヌ文化研究によって知られる。著書は五十余冊ある。「アイヌの伝統音楽」約二千曲の録音・訳詞により、第18回NHK放送文化賞受賞。1985年9月25日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りー
24
昭和初期代用教員として赴いた地で、著者本人が村々の語り部から採話した物語を纏めた本。2021年に読みやすく再出版されたもの。🐇兎の耳の先は何故黒いか、🐻熊の尾は何故短いか、などの由来話から、神様や英雄の零れ話、本当に多くのお話がおさめられている。採話された場所も記されているので、同じ動物でも地方によって言い伝えが違うのもよく分かる。神々も動物も植物も道具さえも等しく命として存在し、時に人の姿になって婚姻したり悪さをしたり…対等にやりとりする豊かな世界。1話2ページほどなので、少しずつ読むのにも最適。2022/08/12
Shimaneko
7
音訳資料。1963年初版刊行、1981年に増補改訂された版の復刊なので、放送禁止用語もてんこ盛りなら、元の口承民話自体からして、かなりファンキーだったりスプラッターだったり、ぶっとんだ話が多くて楽しい。ネトフリで追いかけてる『ゴールデンカムイ』の民俗考証もかなり参考になるし。2022/02/09
サラマンダー
0
漫画ゴールデンカムイを読んでから、アイヌに伝わる話をもっと知りたいなと思っていて読み始めた。アイヌの人々のまわりにある自然や馴染み深い動植物、人間、妖怪の話などにまつわる話がたくさん集められている。人間の話の章『毛の多いわけ』や『人間の毛』のような身近な話なんかは、子供が疑問を持って訊ねたときに回りの大人たちが話して聞かせたのかもな~とか想像した。 漫画で読んで見た単語だったり風習・習慣がこの本の中でも登場した時の喜びよ…漫画もう一周読むか。2023/05/28