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出版社内容情報
なぜアフリカのアスリートは足が速いのか
男子マラソン世界記録TOP5のうち3人のランナーはエチオピア人であり、多くのエリートランナーが輩出される――。ランナーたちは標高3200メートルのエントト山にこもり、午前3時から薄い大気の中でトレーニングを開始する。時には岩山に寝泊まりし、時にはハイエナがうろつくサバンナでトレーニングを続けるものもいる。彼らは、マラソンの世界記録を樹立することにより夢を実現できると信じて過酷なトレーニングを続けている。フルマラソンを2時間20分で走るエジンバラ大学の社会文化人類学の准教授が、15ヵ月にわたりエチオピアのランナー達とトレーニングを共にしたフィールドワークの記録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鈴木拓
32
すごい本に出会ってしまった。目から鱗とはまさにこのことだ。 マラソン王国であるエチオピアで、自らもフルマラソンを2時間20分で走る著者が、ランナーたちと共に暮らしながら、彼らがどのように日々を生きているのか、どのような意識で走っているのか、なぜ素晴らしい選手が育つのか、といった疑問を紐解いていく。私自身の固定概念は根底から覆され、腑に落ち散ることがたくさんあった。 2022/03/22
Kuppa
20
ランナーでもある人類学者が、エチオピアのランナーと共に練習に励み、観察したフィールドワークの記録。エチオピアの若者達が、どのようにしてランナーを目指すようになり、何を思い、大事にし、何を目指して、どうやって練習しているのか。彼らの基準は、計測や規律だけでない。好奇心や冒険心を持ち、互いに足を追いかけ合う仲間と共に「人生を変える」ことを目指してランニングに打ち込む。その日々こそが意味を持っているのだと。自身も実力のあるランナーだからこそ持てる視点もあっただろう。その意味でも貴重な一冊だと思う。2022/03/04
DEE
11
文化人類学者である著者もまたかなりのランナーである。その著者が長距離王国のエチオピアに長期滞在し、トップクラスのランナーたちと走ること、そして生活も共にした記録。彼らにイメージされる普段から走っているから早いということではなく、きちんとしたチームで日々キツいトレーニングを続けた結果だということ。走ることを続けるためには練習時間や栄養、環境などが必要なため最貧困層からの成り上がりはいないということ。そして彼らを突き動かすのはお金であるということ。知らない世界を垣間見れた本だった。2022/01/28
ちび太
10
非常に面白い。フルマラソンを2時間20分で走る文化人類学者がエチオピアに滞在してエチオピアのランニング文化の秘密を探る。今までエチオピアに抱いたいた私のイメージがいかにステレオタイプであったか気付かされた。そして、今、GPSや心拍計に縛られて行なっている私の西洋型(?)ランニングスタイルが全てではないと感じさせられた。エチオピアでは集団で走ることで力が付くとされる。コロナ禍になり一人で走ることが多い。久しぶりに集団で走ることでエネルギーを感じたい。2022/03/27
Hidetada Harada
9
マラソンって苦しいけど楽しいスポーツだよね、ということを再認識しました。そんなマラソンを趣味にできている今の環境に感謝。来月のレースに向けて、もう少しまじめに練習しなければいけません。2022/09/26