ダンテ論―『神曲』と「個人」の出現

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ダンテ論―『神曲』と「個人」の出現

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  • サイズ 46判/ページ数 353p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791773855
  • NDC分類 971
  • Cコード C0098

出版社内容情報

ダンテ没後七〇〇年。「ダンテ論/神曲論」の決定版
日本初の最新の伝記と研究史を備え、ダンテの中世的な側面から現代の世界に与えた影響までを論じる。ダンテのイメージは、政争に破れベアトリーチェに無垢なる愛を捧げた詩人という『神曲』の物語と重ねられ、「イタリア語」を生み出したイタリア国民の父としてナショナリズムのなかで理解されてきた。詩人の明晰な思想を実証主義に基づいた最新の研究成果と、綿密な読解から明らかにし、世界文学の代表としての『神曲』が持つ現在性を描き出す。

内容説明

恋に生き、政争に敗れ、叶わなかった理想を追い求めた詩人が夢見た物語―こうした『神曲』のイメージは過去のものとなった。明晰な思想のもとダンテが『神曲』で描いたものは何だったのか。現実世界の中で「個人」の出現を予見し、人々の理念を超越した平和を見出した試みを、第一人者が明らかにする。

目次

第1章 詩人の伝記
第2章 ダンテ批評史
第3章 失われた自筆原稿を求めて
第4章 フランチェスカ・ダ・リミニと「私」
第5章 ベアトリーチェ神話の終焉と預言する詩人
第6章 『神曲』と「個人」の出現
第7章 ベアトリーチェの微笑
補論 『これが人間か』―アウシュヴィッツと詩について
終章 結論

著者等紹介

原基晶[ハラモトアキ]
1967年生まれ。東海大学文化社会学部准教授。専門はイタリア文学および中世ルネサンス文化。東京外国語大学大学院外国語学部イタリア語学科博士前期課程修了。博士(学術)。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア大学でジョルジョ・パドアン氏に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

岡本正行

30
難しい。世界史を得意とする人、過去に「神曲」がなんであるか具体的に知っているか、ダンテを理解しているか、そうでないと理解できない。所々で、なるほど、そうかと同意できるところもある。原本や映画などを見て読んで、もう一度チャレンジしたい本であった。2022/01/25

ロビン

14
これまでのダンテについての認識をひっくり返してくる本。アリギエリ家は貴族ではなく小金融業者であり、ダンテのミューズである片思いの相手ベアトリーチェについても実在の彼女との関係は希薄であり、詩人の創作であるという。また、『神曲』の現在のような高い評価は19世紀イタリア国民国家成立時に政治的な意図もあって形成されたということを示し、『神曲』中に登場する主人公ダンテと、作者ダンテを同一視してよいのかという問題を提出、同一視を否定、実際のダンテとは切り離して考察すべきとする。それでも偉大な詩人だとは感じたけれど。2024/01/25

buuupuuu

13
かつては『神曲』に登場する「私」をダンテその人と同一視し、作品内で彼の心情が吐露されているという読み方が一般的だった。しかし今ではそれは否定され、登場人物達はアレゴリーの技法で構築されていると考えられているという。しかしそれでは個性的な人物達のリアリティはどこからやってきたのだろうか。著者はそれをダンテの政治思想と神学に求めている。彼は、人間を社会的に決定されたものとしてではなく、各々が自由意志を持って神の愛に応えていく存在として捉えたのだ。本書を読むと、古典を読むのは難しいのだなと改めて思わせられる。2022/05/15

8123

7
ダンテ嫌いのダンテ論。『神曲』の個人的要素の強さに面食らった口なので、副題を目にして手に取った。従来のダンテ像を覆そうという意欲に燃えている。自分みたいなニワカは筆者がこれだけ熱いと乗せられる。とにかく須賀敦子の弟子である藤谷道夫の解釈が気に食わないらしく、再三噛みついててつい笑っちゃう。興味深い論考の道筋は何本もあるが、商業革命が生んだ中間層(市民)が煉獄と対応し、商業に要請される平和は神の光を平等にうける個人の自由意志によって成就可能だ、とする線がいちばんしっくりきた。2022/04/17

みのくま

4
ダンテは「神曲」を表面だけで読まないよう、読者に注意を促していた。なぜなら彼の世界観では、現世には神の創造の痕跡が満ちており、それらを予型論として「神曲」で生き生きと描写したからである。だが予型論の手段として使われたはずの登場人物達の躍動が、結果的に「特別に聖なるもの」を引きずり降ろし社会全体を世俗化させる。またダンテは、現世は神によって全てが決定されているという考えを否定し、個人の自由意志が間違う事で神の意図に沿わない悲劇が生まれると考えていた。これらが複合的に絡み合い「個人」の出現に寄与する事となる。2022/09/19

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