ブランダム 推論主義の哲学―プラグマティズムの新展開

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  • サイズ 46判/ページ数 338p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784791773794
  • NDC分類 133.9
  • Cコード C0010

出版社内容情報

プラグマティズムの向こう側へ!
?言葉の意味は推論が果たす役割で決まる”という「推論主義」の立場を打ち出したことで、プラグマティズムの議論をリードする、アメリカの哲学者ロバート・ブランダム(1950‐)。壮大な体系が醸し出す雰囲気、カントやヘーゲルをプラグマティズムに取りこむ斬新な解釈、その応用可能性などによって、言語哲学のみならず、さまざまな分野の研究者から熱い注目を集めている。議論の最前線に飛び込み、その哲学のコアにふれる、画期的入門書。

内容説明

カント、ヘーゲル、セラーズ、ローティ、ウィトゲンシュタイン、マクダウェルなどの議論を自在に取り込みながら、独自の理論体系を構築し、プラグマティズムを牽引するアメリカの哲学者ロバート・ブランダム。言語と世界はどうつながっているのか。文の「正しさ」や推論の「適切さ」はどのように決まるのか。いま熱い視線が注がれる「推論主義」の基礎から応用までを網羅する、はじめての本格的入門書。

目次

1 言語と規範(言語哲学とプラグマティズムの歴史;ブランダムはなぜ「推論」に注目するのか)
2 推論主義の基本(規範的語用論;推論的意味論)
3 推論主義の応用(「意味の理論」としての推論主義;推論主義を応用してみる)
4 失われた二つの客観性を求めて(推論主義は相対主義か;世界に応答できるか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月をみるもの

16
フリストンの自由エネルギー仮説に基づく能動的推論と、ブランダム流の推論主義は根底でつながっている気がする。科学からか哲学からか、、というアプローチの起点が違うだけで。まだ若い著者が、ブランダムを超えてどこに向かっていくのか、楽しみで仕方ない。2022/01/31

月をみるもの

10
https://bookmeter.com/books/21173542 に合わせて再読。どちらも「意味」は推論から生まれると言っている。 LLM がやってる「前の単語や文から次の単語・文を予測・生成する」という過程は推論そのものだが、今井・秋田は「いまはまだ、それらの記号がネットのデータの中を浮遊しているだけで現実に『接地』してないから真の「意味」理解に達してない」と言ってるようだ。一方ブランダムの立場(強い推論主義)なら「言語ゲームに参加しそこで正しい推論ができる」なら、それで十分ということになりそう2023/12/09

ニッポニテス的遍歴

6
☆=4/5 「言葉の意味は推論というプロセスの中で果たす役割によってきまる」という推論主義の紹介。 人間が大抵の日常的な言語理解で使っているのは「形式的(論理操作的)推論」でなく「実質的(内容的)推論」であるという指摘が興味深い(相手の発言の真偽について、脳内にいちいちベン図書いて論理形式の正しさを判断するのでなくその「主張内容」の方に注目して、手っ取り早く呼び出せる意味記憶に照らして推論を行う)。 ・・・正直ちゃんと消化しきれた気がしないので要再読。 2021/08/07

borisbear

4
推論主義意味論の強みや得意分野や魅力について、既存の意味理論との関係や相違点も示しつつ率直かつ情熱的に語る本で、入門書として文句なしの内容だと思う。想定される読者の疑問にも可能な限り対応している。一般論としては、様々な意味理論にはそれぞれ得意不得意があり、どれが正しいかというような排他的態度は不要で、各個人の理論的関心に応じて選択的に利用すればよい、という著者の基本的姿勢に同感する。2023/08/15

Myrmidon

4
良い本。ブランダムの推論主義について、歴史や理論的背景、反論とそれへの応答、意義など、入門書として過不足ない内容を、明晰な解説と豊富な具体例で示す。以下は自分用まとめと感想。ブランダムの推論主義は、表象主義的言語理解を批判して、実質的推論を含む広い意味での推論関係から言語の意味が規定されるとする。その背景には、言語の規範性や人間の合理性(理由空間の中で言語実践を行う)を重視する立場がある。推論主義の一つの柱である規範的語用論では、コミットメントと資格という二種類の規範的地位と、自分や他者に規範的地位を認め2021/09/17

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