出版社内容情報
ユング心理学の展開 ユング心理学はイメージの心理学である。人類の意識の深層に生じる神話、昔話、象徴、記号。それらの生命力を鍵に、夢や幻覚など個人のイメージ体験の根源にひそむ人間の心的現実を芸術、宗教、セラピーほか、さまざまな角度からさぐる。
目次
イメージと深層心理学
イメージとは何か
神話・伝説・昔話
イメージと元型
心理療法の実際
夢分析
箱庭療法
宗教とイメージ
境界例とイメージ
イメージと言語
イメージと創造性
ライフサイクルとイメージ
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
心理学者。1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒。1965年日本人初のユング分析家の資格を取得。著書多数。2007年7月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
イメージをテーマにユング心理学を概説する本書は、言語と対象でできた世界を意識の分割の働きとし、その一意対応関係の一般化、厳密化、抽象化を担う自然科学と、無意識の領域をも示唆する象徴言語の曖昧さを駆使する宗教や詩を対照的に扱う。前者は言語化可能な意味や現実に対応する概念を媒介とするが、後者は言語化不能なものを含むイメージを媒介とする。個々のイメージは創造を促すが、一般化はできないからだ。本書は、「元型そのもの」という言語化不能な設定をしたユングの意図を、自身の心理学を終わりなき探求の過程にするためと捉える。2023/02/24
nana犬
0
購入2023/02/04