出版社内容情報
ロジャヴァ以後、革命の意味は変わった――。
【序文:デヴィッド・グレイバー】
アラブの春以後、シリア内戦、イスラム国との熾烈な対決ど、覇権政治の激戦を突破し樹立された、クルドの自治政府。欧米諸国を驚かせたのは、革命の主役がロジャヴァの女性たちだったこと。草の根民主主義、ジェンダーの解放、環境問題の重視、独占資本主義解体などを理念とする女性たちが展開する、先進的革命の実際を詳細に追う現地レポート。女性の解放なくして、革命はあり得ない!
内容説明
アラブの春の残響のなか北部シリアで、世界の関心を熱くし、列強を恐れさせる革命が継続している。内戦・イスラム国との死闘の果てに樹立された独立自治政府が目指すは、草の根民主主義・ジェンダーの解放・エコロジー重視などの先進的理念。その実現には女性の自由こそが必須の条件なのだ。ロジャヴァから究極の革命の意味と実情を、総合的に追究する。
目次
プロローグ
背景
ロジャヴァの多様な文化
民主主義的連動主義
解放
女性の革命
ロジャヴァの民主主義的自治
市民社会連合
防衛―薔薇の理論
新しい司法制度
教育の民主化
保健医療
社会経済
環境に関わる諸課題
隣人たち
展望
あとがき 民主主義的自治の哲学
著者等紹介
山梨彰[ヤマナシアキラ]
1981年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。現在、星槎大学大学院専任講師。専門は、社会思想史、多文化教育論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
21
2016年にシリア北部のコバニをイスラム国から解放したシリア民主軍に、クルド人女性兵士たちが加わっていて話題になったのは記憶にあるが、まさかあの火薬庫のような地域で、民主主義的自治による自己統治がなされていたとは思わなかった。家父長制の濃い中東で男女混合の組織体制が徹底されてる点が更に驚き。トルコとの絡みでよく名前が出るクルディスタン労働者党の指導者、アブドュラ・オジャランの思想が根底にあるようだ。◇トルコのテロ支援国家ぶりは今更驚かないものの、結局ロシアもアメリカも同じ穴のムジナということだろう。2021/04/21
takao
2
ふむ2024/11/26
Akitomne
0
古代、男性が支配するようになって、まず、女性を支配し、今は自然までもを支配しようとしている。この傲慢が今の自然災害、政治における矛盾を生んでいるのだということを 気づかせてくれる一冊である。私は、ここまで「ロジャヴァの革命」を断言する。2020/07/10
-
- 電子書籍
- まとめ★グロッキーヘブン 分冊版(2)
-
- 和書
- 光への招待