出版社内容情報
日韓国交正常化50周年から約4年経過した現在、日本と韓国は戦後最悪レベルといわれるまでの関係になってしまった。韓国併合から従軍慰安婦、さらには昨今の徴用工判決への見解も踏まえてなされる、詩人の魂と法律家の知性による情理兼ね備えた日韓両国間の歴史検証。
緊急刊行。
内容説明
韓国併合に至る経緯から現在まで、詩人の感性と法律家の知性により苦渋に満ちた真率な歴史認識を記述した書。徴用工問題の韓国大法院判決に対する緻密な考察を含む増補新版。
目次
第1章 陸奥宗光『蹇蹇録』
第2章 マッケンジー『朝鮮の悲劇』
第3章 吉野作造『朝鮮論』
第4章 鈴木武雄『朝鮮の経済』
第5章 パーマー『日本統治下朝鮮の戦時動員』
第6章 『日本軍「慰安婦」関係資料集成』上・下巻
第7章 徴用工事件・韓国大法院二〇一八年一〇月三〇日判決
著者等紹介
中村稔[ナカムラミノル]
1927年、埼玉県大宮生まれ。詩人・弁護士。一高・東大法学部卒、『世代』同人。1950年、書肆ユリイカから詩集『無言歌』を処女出版。詩集『鵜原抄』(高村光太郎賞)、『羽虫の飛ぶ風景』(読売文学賞)、『浮泛漂蕩』(藤村記念歴程賞)、『言葉について』(現代詩人賞)、伝記『束の間の幻影 銅板画家駒井哲郎の生涯』(読売文学賞)、自伝『私の昭和史』(朝日賞、毎日芸術賞、井上靖文化賞)ほか、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nagoyan
11
優。いや、優なのか?第1章では陸奥の「蹇蹇録」を素材に、日清戦争までの日本の対韓認識を、2章ではマッケンジーの「朝鮮の悲劇」を素材に日韓併合までを、3章では吉野作造の「朝鮮論」を素材に併合後の朝鮮統治を、4章では鈴木武雄の「朝鮮の経済」、5章ではパーマーの「日本統治下朝鮮の戦時動員」、6章で慰安婦問題、7章で徴用工問題、韓国大法院判決の分析を行う。気になる点は、本書で惹かれる文献が古いということ。いや蹇蹇録などではなく、60~70年代に読まれていた岩波新書はどうか。他方、大法院判決の問題点は聴くべきか。2019/12/14