出版社内容情報
立岩社会学の出発点にして到達点、大増補復刊!
安楽死、遺伝子治療、介護保険、臓器移植……生と死をめぐり決断を迫られる私たちは、なにを決定できるのか。「自由」とはなにか、「自己決定」とはなにかを厳密な論理で追いつめ、自己と他者、個人と国家を再検討し、新しい社会関係の可能性を探る、医療と病理をめぐる社会学の決定版。大幅増補し、ついに復刊。
内容説明
安楽死、遺伝子治療、介護保険、臓器移植…生と死をめぐり決断を迫られる私たちは、なにを決定できるのか。「自由」とはなにか、「自己決定」とはなにか、を厳密な論理でつきつめ、自己と他者、個人と国家を再検討し、新しい社会関係の可能性を探る社会学の到達点。
目次
1 空虚な~堅い~緩い・自己決定
2 都合のよい死・屈辱による死―「安楽死」について
3 「そんなので決めないでくれ」と言う―死の自己決定、代理決定について
4 一九七〇年―闘争×遡行の開始
インターミッション 障害者運動に賭けられたもの―市野川容孝との対話
5 生命の科学・技術と社会:覚え書き
6 未知による連帯の限界―遺伝子検査と保険
7 遠離・遭遇―介助について
8 闘争と遡行
9 高橋修一九四八~一九九九
著者等紹介
立岩真也[タテイワシンヤ]
1960年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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JunTHR
2
初版は2000年。19年たって第二版が出された。立岩真也は、いくつもの本でそういうことをしているし、今後もそうした予定が控えている。 そこには書かれるべきことが書かれているので、その程度の年数の壁は遥かに越えて、やはり読まれ続けるべきものだと思った。この『弱くある自由へ』は、「生産性」という言葉がまったく嫌な形で取り沙汰されているここ数年の日本社会でしかと読まれるべきテクストだった。読んでよかったと心底思った。「自己決定」「安楽死」「介助」「遺伝子検査」そうしたことについて考えるときの指標を受け取った。2020/01/07
林克也
1
障害者や社会的弱者を対象にしてはいるが、それにとどまらない立岩真也さんの感性、思考の展開には強く共感する。ものの見方に“箍”が無く、自由自在に展開していく「立岩語」に馴染めば、どこまで立岩さんの意図が理解できたかどうかは別にして、脳味噌を刺激し活性化させてくれる。2020/12/17