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目次
呪縛の意匠―過去へ行く為に
1(古典の時代―もう一度、歌う為に;「集団批評の精髄―あるいは全体を語る個について」 ほか)
2(江戸の“様式”;江戸の段取り ほか)
3 江戸はなぜ難解か?(大江戸ローマ帝国説;江戸はとっても難解だ ほか)
4(明治の芳年;私の江戸ごっこ ほか)
5(その後の江戸―または、石川淳のいる制度;立たない源内と『痿陰隱逸傳』、そして国芳の侠気はヤクザの背中に消えて行く)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミスター
6
再読。橋本治の「わからせる言葉」の力ってすごいなといつも思う。それはいわゆる「評論家」敢えて避けて通る「通俗」の力を無原則的に擁護する橋本治だからできることだろう。ここでも通俗は歌舞伎における「愛嬌」として評価される。しかしそれは無原則的な肯定にとどまる話ではない。むしろ橋本治は本作では社会に目を向けない江戸の「町民」に対して批判的だ。歌舞伎や浮世絵といった文化を生んだ江戸の想像力は、歴史をつくる想像力へと行かず、一歩手前の「今日はこれきり」で切断してしまう。橋本治が真に批判しているのは明治維新なのだ。2019/08/31
garyou
3
再読。かつてこの本を読んで江戸時代の役者評判記を読むことにした。なんだかわからないことばかりだったけれど、読み手を意識して書かれているということはわかった。今の劇評って誰に向かって書いてるのかほんと不明だもんね。この本にもそう書いてあるけどさ。ここから全然外に出られずにいることをいやというほど思い知らされる。2019/08/27
罵q
2
余裕について考えさせられた。目的を喪った共同体にとって、主君とは単なる権力者としてしか映らない。この視点からではディスコミュニケーションからしか生まれ得ないだろうし、このことは近代の悲劇だろうなと思った。2020/03/04