出版社内容情報
伊達得夫とは誰だったのか?
神田の露地裏、間借りしたオフィスに居を構え、書肆ユリイカは戦後の混乱と解放の時代に出発した――。自死した原口統三、不遇の時期にあった稲垣足穂、そして未知の領野に臨もうとしていた戦後の詩人たちを次々と世に問い、戦後の出版界に独自の位置を占めた伊達得夫。伊達と共に、そして現在まで戦後詩の地平を歩んできた著者による、伊達得夫という一人の人間についてのメモワール。
内容説明
戦後の混乱期、神田の露地裏の木造二階建てのビルにもぐりこみ、自死した原口統三の遺著を出版して出発、不遇の稲垣足穂を愛しながら、窮乏に耐え、無名の若い詩人たちの詩集を次々に刊行し、戦後詩が始まる場所を確立した、特異な出版人・伊達得夫。彼の優しい心と陰影に富んだ人格の謎、不滅の業績を、親交のあった著者が情感豊かに解き明かす。
目次
第1部(『二十歳のエチュード』;書肆ユリイカ;『戦後詩人全集』と詩誌『ユリイカ』;稲垣足穂と伊達得夫)
第2部(生立ち・結婚・上京;京都大学の伊達得夫;「風と雁と馬蓮花」)
著者等紹介
中村稔[ナカムラミノル]
1927年、埼玉県大宮生まれ。詩人・弁護士。一高・東大法学部卒、『世代』同人。1950年、書肆ユリイカから詩集『無言歌』を処女出版。詩集『鵜原抄』(高村光太郎賞)、『羽虫の飛ぶ風景』(読売文学賞)、『浮泛漂蕩』(藤村記念歴程賞)、『言葉について』(現代詩人賞)、伝記『束の間の幻影 銅板画家駒井哲郎の生涯』(読売文学賞)、自伝『私の昭和史』(朝日賞、毎日芸術賞、井上靖文化賞)ほか、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ラム