出版社内容情報
ヒロシマ、ナガサキ、フクシマ…。「核」=〈解けない魔法〉をめぐるもう一つの歴史。
魔法をかけることはできるが、解くことはできない「魔法使いの弟子」。ドイツの詩人ゲーテが書いたこの物語は、進歩いちじるしい科学技術、とりわけ原子力にたとえられてきた。戦前の日本で兵器研究として進められた核技術は、戦後は原子力発電所として継続した。日本人のアイデンティティに科学技術はいかに作用したのか? ユニークな視点で真摯に読み解く。
中尾麻伊香[ナカオマイカ]
著・文・その他
内容説明
原子力という“解けない魔法”をめぐるもうひとつの科学史。魔法をかけることはできるが、解くことはできない「魔法使いの弟子」。ドイツの詩人ゲーテによるこの物語は、進歩いちじるしい科学技術、とりわけ原子力にたとえられてきた…。科学技術とアイデンティティの関係をユニークな切り口で真摯に描き出す。
目次
第1部 ファウストの末裔―科学は脱魔術なのか?(原子力をめぐる錬金術物語―想像される科学技術と召喚される魔法の言葉;「科学者の自由な楽園」が国民に開かれる時―STAP/千里眼/錬金術をめぐる科学と魔術のシンフォニー;疎外されゆく物理学者たち―加速器から原子力まで)
第2部 メフィストの誘惑―いつまで「人間」でいられるのか?(ノイマン博士の異常な愛情―またはマッド・サイエンティストの夢と現実;恐竜と怪獣と人類のあいだ―恐竜表象の歴史をたどって;ゴジラが想像/創造する共同体―「属国」としての「科学技術立国」)
著者等紹介
中尾麻伊香[ナカオマイカ]
1982年ドイツキール生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門は科学史・科学文化論。立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員、マックス・プランク科学史研究所ポストドクトラルフェロー、コロンビア大学客員研究員を経て、長崎大学原爆後障害医療研究所助教。戦時中の核研究の遺品を追ったドキュメンタリー映画「よみがえる京大サイクロトロン」を制作するなど、多彩な研究活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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