出版社内容情報
三名人かく語りき
「また、見てもらいます」(西条凡児)、「さて、みなさん……」(浜村淳)、「私が上岡龍太郎です」(上岡龍太郎)――語りだせばすぐさまその声が聴こえてくる。生粋の関西弁の、五七調の、漢文調の、それぞれの話芸が響きわたる。落語、漫談、講釈を捉えかえし、自らの一人芸を創りだした三人の話術の妙を記した、爆笑と悲哀の話芸史。
戸田学[トダマナブ]
著・文・その他
内容説明
語りだせばすぐさまその声が聴こえてくる。生粋の関西弁の、五七調の、漢文調の、それぞれの話芸が響きわたる。落語、漫談、講談を捉えかえし、自らの一人芸を創りだした三人の話術の妙を記した、爆笑と悲哀の話芸史。
目次
第1部 西条凡児の話芸(西条凡児の高座;西条凡児の経歴;西条凡児の漫談 ほか)
第2部 浜村淳の話芸(京都アクセントを生かす浜村淳;浜村淳の履歴;芸名「浜村淳」の誕生、そして東京へ ほか)
第3部 上岡龍太郎の話芸(上岡龍太郎の引退;横山ノックへの弔辞;漫画トリオの時代 ほか)
著者等紹介
戸田学[トダマナブ]
1963年大阪府堺市生まれ。2004年、よみうりテレビ「第33回上方お笑い大賞・秋田實賞」受賞。現在はテレビやラジオの番組構成、映画や落語を中心とした著述で活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
25
落語や漫才に比べると、話芸はジャンルとしてのスタイルが明確にされていない。アメリカではスタンダップ・コメディと呼ばれ、何万人も収容できる劇場を超満員にするスターもいるのと比較すれば、日本の話芸は芸としてもどこか低く見られている。本書は、西条凡児、浜村淳、上岡龍太郎、この三人からなる話芸の系譜を論じている。大阪における話芸の基礎を作ったとされる西条凡児だが、さすがにリアルタイムで見ていない分、読んでいてもピンと来ない。(つづく)2018/10/05
gtn
17
西条凡児には間に合わなかった。リアルタイムに観た記憶がない。しかし、その芸風は上岡龍太郎に伝わったとのことだから、気骨があったのだろうと想像する。師を誤ったのが一つ目の不運。騒音をめぐり、建築業者への恐喝容疑で書類送検されたのが二つ目の不運。2018/11/07
浅香山三郎
15
ひとり藝である漫談、テレビ・ラジオの司会藝のやうなものを詳しく取り上げた本は多くないが、本書はさうしたなかでの貴重な仕事。凡児=落語、浜村=浪花節、上岡=講談といふそれぞれの話藝の影響関係の見立てが面白い。3人の中で未だ月~土の毎日放送ラジオに出続ける浜村のしぶとさが、いかにもこの人らしい個性で面白い。本書が出た前後に著者の戸田学氏が、「ありがとう浜村淳です」にゲスト出演してゐるのを偶然聴いたのを思ひ出した。2019/08/03
スプリント
7
人選が渋いです。浜村淳と上岡龍太郎は知っていましたが西条凡児は名前くらいしか知らなかったので勉強になります。2018/09/16
おおきなかぶ
3
「あー、面白かった。読まなんだら良かった」。嘘。とても楽しかった。個人的に上岡龍太郎さんの大ファンで、手に取った一冊。ラジオ大阪"歌って笑ってドンドコドン"は、数多ある番組の中で、最も面白かったものでした。上岡さん、桂雀々さん、水谷ミミさんと、ドンドコリスナーからのハガキが織りなす奇跡の様な2時間。就職して関西を離れてからも、よく母親がカセットテープに録音して送ってくれましたが、繰り返し繰り返し聴いていました。上岡さんが、これからも末永く素晴らしい人生を過ごされます様に。2018/10/20
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