出版社内容情報
大崎清夏[オオサキサヤカ]
著・文・その他
内容説明
中原中也賞を受賞した『指差すことができない』から四年。気鋭の詩人、待望の新詩集。動物の沈黙にいまを生きる知恵を聴きとり見晴らしのいい居場所を切りひらく、伸びやかな言葉の大移動。
目次
アブー
謝肉祭
ミンミン
炊飯器
テロリストたち
次の星
港
野生の鹿
セシル
水場
月光
エレナ
うまれかわる
空き家
黙祷
気球
ウムカ
ネズミちゃんは酔っぱらっている
永遠と一日
海に帆をしまう
著者等紹介
大崎清夏[オオサキサヤカ]
1982年神奈川生まれ。詩人。早稲田大学第一文学部卒。2011年、ユリイカの新人としてデビューし、第一詩集『地面』を刊行。2014年、第二詩集『指差すことができない』が第19回中原中也賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
48
距離感をどうするか・・を考える。座ってみる、しゃがんでみる。朝、考えてみる、夜、考えてみる。春、夏、秋、冬に考えてみる。そうすると、日常の中で眼にしていることも、違って見える。そんなことを考えた。2024/03/08
ぐうぐう
26
様々な生き物が、この詩集には登場する。動物公園から脱走したゾウガメのアブーや、ハンターに殺された雄ライオンのセシルなど、実在した動物の姿もある。動物を想い、詩うことで大崎清夏は、人を、生活を、世界を見つめ直そうとする。動物を介した結果、言葉は素直さを増し、理解が発見へと繋がっていく。論理的なはずなのに、情感にたゆたっているような不思議な感覚が、彼女の詩にはあるのだ。「わかるということはときどき さっぱりわからないまま私たちに降る」そんな真理にドキリとしながらも、なぜか安堵が込み上げてくる。2018/06/05
たては
7
ニュースになったりした実在の動物の名前が出てきてイメージがしやすかったです。「アブー」は引用されているのが『モモ』のカシオペイアだと読んでいる中で気付けてちょっと嬉しくなりました。「炊飯器」が一番好きです。リズムがよく、すんなり心の中に入ってきて、実際の生活に根差したような言葉だと感じました。2018/06/10
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6
いちばんすきな画家がいたはずなのに 忘れてしまった/いちばんすきな歌があったはずなのに 忘れてしまった/しかたがないから 炊飯器でごはんを炊いた/炊飯器なんかすきじゃないのに (「炊飯器」)2018/03/13
ちや
4
一歩の遅さに落ち込むことはあるが 一歩の正当性を疑ったことはない2023/12/28
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