出版社内容情報
ジュデイス・バトラー[ジュデイスバトラー]
著・文・その他
竹村和子[タケムラカズコ]
翻訳
内容説明
権力はいかに言説のかたちをとって身体・精神・欲望を形成するのか。女と男の弁別が身体の自然に根ざすとする本質論的前提を根底的にくつがえし、セクシュアリティ研究の方向を決定づけたフェミニズム/クィア理論の最重要書。
目次
第1章 “セックス/ジェンダー/欲望”の主体(フェミニズムの主体としての「女」;“セックス/ジェンダー/欲望”の強制的秩序;ジェンダー―現代の論争の不毛な循環 ほか)
第2章 禁止、精神分析、異性愛のマトリクスの生産(構造主義の危うい交換;ラカン、リヴィエール、仮装の戦略;フロイトおよびジェンダーのメランコリー ほか)
第3章 撹乱的な身体行為(ジュリア・クリステヴァの身体の政治;フーコー、エルキュリーヌ、セックスの不連続の政治;モニク・ウィティッグ―身体の解体と架空のセックス ほか)
著者等紹介
バトラー,ジュディス[バトラー,ジュディス] [Butler,Judith]
カリフォルニア大学バークレー校、修辞学/比較文学の教授。哲学専攻
竹村和子[タケムラカズコ]
お茶の水女子大学大学院修士課程修了。筑波大学大学院博士課程退学。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授。専攻は英語圏文学、批評理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルンブマ
9
現代はジェンダー・トラブルの時代ではあるとはいえ、バトラー的な「撹乱」の戦略は異性愛に対しては何の影響も及ぼしていないという問題がある。異性愛側はびくともしない。だからこそみんな、安心して「多様性」などと言ってられる。異性愛からしたら、そんな「撹乱」だなんて、怖くなんてないから。2023/04/14
しゅん
8
ジェンダーを固定しないこと、トラブルを起こし続けること。哲学科出身者による抽象的論争で、私の能力では一読で詳細な論点は理解はできません。そのうち再読。2020/06/29
Ex libris 毒餃子
6
仕事でダイバーシティ・エクイティ・インクールジョンを取り扱うことになって、学生向けの参考文献にあったので読んでみました。1か月くらあかかかりましたが、難しくてよくわかりませんでした。生物学的性も所与ではないってことですかね?2024/04/28
あまん
6
言説化できないことを言説化しているために、非常に難解。竹村氏の底知れない努力がうかがえる。セックスが生物学的根拠を持っているという前提から突き崩し、ジェンダーもセックスも、共に社会的・文化的コンストラクションであるとする。フーコーの系譜学については理解していたが、ウィティッグやイリガライ、クリステヴァは初見だ。クリステヴァはラカンの思想を踏まえないと難しい。ウィティッグは言説外に目標を提示したことを批判される。イリガライの言う、男根ロゴス中心主義によって初めから女性は存在していないという主張はよく分かる。2021/11/21
もてぃ
6
難しかった…。中盤の精神分析や構造主義を批判していく部分が難解で読了したと言っていいのか微妙。基礎知識を勉強して再チャレンジしたい。 ジェンダーとはすでにセックスである、という序盤の問いの立て方から面白くて痺れた。私達が自然だと思っている分類は実はパフォーマンスによって構築された政治的な「法」である、と本書は説いている。アイデンティティの政治が基盤主義に陥ってはいけないとも。最近のSNSでの「フェミニズムに相応しい女」を規定しようとする動きに疑問と危機感を覚えていたのでこの辺りは非常に興味深かった。2021/03/10
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