内容説明
日本の神話における女性の神々の役割を多角的に分析し、現在にいたるまで私たちの信仰や生活に影響をあたえつづけている女神の力を、日本だけでなく、他の地域の古代信仰や男性神との比較から明らかにする。
目次
第1章 縄文時代の宗教の中心だった地母神の信仰(地母神を表わした土偶;オホゲツヒメとウケモチに受け継がれた縄文時代の母神の性質;里芋の栽培の名残り ほか)
第2章 ヌナカハヒメとの結婚によって完成した八千矛の神の国作り(ヤチホコの神とヌナカハヒメの歌のやり取り;国作りの締めくくりとなったスセリビメとの交合;スクナビコナとした国作りの意味 ほか)
第3章 アマテラス大御神に見る日本人の憧憬の化身(生まれるとすぐに天上の神々の女王になったアマテラス大御神;他の神話で最高神たちが神々の王になるためにした戦い;最高神であり続けるために、エジプトの太陽神レーがした戦闘 ほか)
著者等紹介
吉田敦彦[ヨシダアツヒコ]
1934年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科西洋古典学専攻課程修了。フランス国立科学研究所研究員、成蹊大学文学部、学習院大学文学部教授を歴任。学習院大学名誉教授。専攻は比較神話学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マーブル
6
日本神話の特徴を、まずはその起源を縄文時代に求め、またその後記紀でどのように扱われていったかを考察するのが本書である。 教科書などでも親しみのあるように縄文時代の土偶は女性を型どった形が多い。そして出土するそのほとんどがバラバラに壊されているという。しかも竪穴式住居を発掘すると、その壊れた一片を奉っていた形跡があるという。3章ではアマテラスを「処女神」であり、かつ「理想の母性像」であるとし、その根拠を西洋の神話に隠された「エディプスコンプレックス」との違いを述べながら考察している。2018/12/29
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