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内容説明
「あなたはリズム感が悪すぎる!」突きつけられた衝撃の一言。どうしてリズム感が悪いのか。そんな素朴な疑問からはじまったリズムの謎をめぐる冒険は、文学・絵画・歴史・文化・風土などあらゆるジャンルを横断して、西洋とはまったく違う日本独自のリズムの正体を明らかにしていく―。リズムをめぐる謎から描き出される、おどろきと発見の日本文化論。
目次
第1章 「ものおと」の気配
第2章 リズムの方向
第3章 模倣のリズムと情景の模写
第4章 リズムの距離
第5章 「ソ」の裏側
第6章 「なつかし」のリズム
終章 リズムの断層
著者等紹介
樋口桂子[ヒグチケイコ]
名古屋大学文学部卒業。リエージュ大学文学部留学を経て、1982年に東京芸術大学美術研究科博士後期課程満期退学。東京芸術大学美術学部助手、大東文化大学国際関係学部助教授を経て、教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひなぎく ゆうこ
19
稲作で下に向かい安定を求める日本的リズム、狩猟で大地を蹴って上へ向かい身体を解放させる欧米のリズム感。相づち、踊り、手書き文字など、様々な動きにかかわっているそうです。発見が多く面白かったです。2020/02/01
ヨハネス
4
先日、ある指揮者が信号機の「ぽっぽー」のどこが頭拍かについて熱弁をふるうのを聞いたばかりなのでとても面白かったです。でも、この分厚い本、リズムと一見関係ないような絵画遠近法とか和歌、古語にまで話の範囲が広く、ついていけない部分もありました。絵画も古語も好きな分野なのに。また、リズムではなく速度記号についても詳しくて、こちらは個人的に大変ためになりました。日本語の単語単位として4モーラ(キムタク、ポケモンなど)が好まれる話もとても興味深い!2018/06/08
バジルの葉っぱ
3
音楽の拍に興味があって手に取った。言葉、ダンス、音楽等比較しながら語るのはいいのだがあちらこちらに話が飛び焦点がしぼれないようなかんじで読みにくかった。ヨーロッパと比較して語られていくが、ヨーロッパ以外の地域についても様々だろうけれどそちらには触れられていないかんじだし、少し短絡的に断定しすぎなきも・・・と思いながら読んだ。2018/12/12
これから考える
3
まさに博覧強記。日本人のリズム感が西欧人と異なる事から始まって、言語、文字、おどり、絵画とひろく文化論が展開。たとえば「西洋音楽の『ウラ拍』とは、蹴って円弧の軌跡を作って循環してゆくリズムの中の通過点である。ところが日本人はこれを、表の拍に対しての裏に当たる拍という意識の中で捉えた。ここに日本語のもつ裏と表の段差が無意識のうちに入り込むことになった。」私には高尚すぎました。2018/02/04
skr-shower
2
ドンドンドンと下に向かうリズムと、ンタッンタッな(日本人には)裏拍のリズム。これが引いて使う包丁と押して使うナイフの違いにつながっていくとは…気配って英訳できないのか、秋の虫の声は雑音にとる民族の方が多いというしなぁ。2021/09/09