出版社内容情報
ごはんたべて
ねて
うんちして
くり返し
この愛しい退屈は
ずっとつづくのだと思う
なんて美しく、尊い退屈なのだろう。
――西加奈子
猫を飼うなら、かわいさと引き換えに、必ず来る哀しい感情。それを淡々とした文章と、紙版画の素朴な味わいが柔らかく包み込む。優しいな。
――松尾スズキ
愛猫とのかけがえのない日々を綴った話題の詩画集、待望の書籍化!エッセイ「幻の猫」収録。
[著者] 坂本千明(さかもと・ちあき)
一九七一年生まれ。イラストレーター/紙版画作家。青森県出身。東海大学教養学部芸術学科デザイン学過程卒業。大学在学中よりイラストレーターとしての活動を開始。二〇〇九年より紙版画の手法を用いた作品制作を始め、同時に猫との暮らしが始まる。現在は展示や書籍の挿画などで活躍中。
本書に登場する「黒くて小さなやつら」(現在五歳)と東京在住。
内容説明
愛猫とのかけがえのない日々を綴った話題の詩画集、待望の書籍化!
著者等紹介
坂本千明[サカモトチアキ]
1971年生まれ。イラストレーター/紙版画作家。青森県出身。東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程卒業。大学在学中よりイラストレーターとしての活動を開始。2009年より紙版画の手法を用いた作品制作を始め、同時に猫との暮らしが始まる。現在は展示や書籍の挿画などで活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
195
書店の片隅に捨て子猫のようにひっそりと佇んでいたので、思わず手に取りました。坂本千明、初読です。絵本というよりも小冊子という感じでした。拾われた子猫のツンデレ的な独白と坂本千明の紙版画が独特の雰囲気を醸し出しています。http://shop.shiba-fu.com/products/detail.php?product_id=3852017/10/27
nico🐬波待ち中
129
「退屈」普段はマイナスの意味で遣うこの言葉が、こんなにも愛しく思えるなんて。ただの、なんてことのない日常のくり返し。その当たり前の日常がかけがえのないことだったなんて。猫目線のお話。猫の、ちょっとふてくされた表情や一筋縄にはいかない手強さが可愛さを一層煽る。温かみのあるモノトーンの紙版画がまたいい。とてもシンプル。けれど猫好きの人なら、この絵本の全てに共感できるはず。2019/01/06
ぶち
123
猫と暮らしたことのある人なら誰もがウンウンとうなずける、猫という生き物との暮らし。気ままで、甘ったれで、いたずらっ子で孤独で愛らしい小さな命。出会いは突然に、そして、別れもまたある日いきなりやってきてしまいます。 作者の版画が、主人公のハチワレの仕草や暮らし、新たに加わったチビ猫たちとの関係、安らぎ、孤独感、寂しさを、文章以上に雄弁に描いてくれています。単なる "カワイイ" という言葉では形容できない、不思議で哲学的で愛おしい猫の存在感が、モノクロームの版画からあふれています。2019/07/06
miww
89
表紙の絵の表情がこの子の物言いそのままで最高にかわいい。冬の冷たい雨の日、2つの手に抱えられ家猫になった「あたし」。ごはんたべて、ねて、うんちして。くり返し。退屈な毎日と宣う猫が感じている幸せと、その子への愛情が溢れた作品。あとがきにかえて「幻の猫」がとてもいい。「私は知りたかった。猫が幸せかどうかを‥。いくら考えても絶対にわからない。」私もその思いを抱えて、これからも猫にひっかかれ噛まれてもベットでごろごろを聞きながら一緒に生きていく。2018/12/22
♪みどりpiyopiyo♪
80
「この愛しい退屈は ずっとつづくのだと思う…」 ■猫と暮らすのって、人と暮らすのと ちょっと似ていて ちょっと違うのでしょう。こんなに静かで騒々しく、甘くてヒリヒリする。その全てが美しくって愛おしい。■人と人との間でも、言葉で通じ合っているようで 言葉以外の部分が大きい。生き物と暮らすのって、きっとそう。■知らないはずなのに懐かしい。やさしい世界へと連れて行ってくれる画文集でした。(初出 2015年)2019/02/22