内容説明
モアイ像はなにをまなざしているのか?ピラミッドの通気孔はなにを意味しているのか?ストーンヘンジのすき間から夕陽が見えるのはなぜか?従来の考古学では解明できなかった古代文明の謎が、天文学の最新技術から次々に明かされる。まったく新しい切り口で文明の謎に迫る「天文考古学」の冒険
目次
第1部 方法(肉眼での天文学;データの取得;データ解析)
第2部 アイデア(文明のルーツにおける天文学と建造物;天文学・権力・権力に関する風景;天文考古学の科学的基礎)
第3部 場所(地中海の巨石文化;古代エジプト;コロンブス以前の文化;古代世界)
著者等紹介
マリ,ジューリオ[マリ,ジューリオ] [Magli,Giulio]
1964年生まれ。イタリアの宇宙物理学・天文考古学者。ミラノ大学で数学物理学の博士号を取得。2005年にミラノ工科大学数学物理学教授に就任。天文考古学の分野で多数の論文を発表
上田晴彦[ウエダハルヒコ]
1965年生まれ。宇宙物理学者。京都大学を卒業後、広島大学理論物理学研究所にて宇宙物理学の研究を始める。1995年より秋田大学に研究の場を移し、2010年に教育文化学部の教授に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ルーシー
4
古代遺跡の謎を天文学の視点から読み解く、とても真面目でしっかりした本。教科書として作られたので難解な所もあるが、考古学・天文学好きならとても楽しめる内容である。古代遺跡はそのほとんどが作られた意図が不明なものが多いが、明らかに太陽や星を意識した作りとなっているのはとても興味深いし、たとえ権力の誇示の為だとしても精密に計算された構造はいつ見ても感動する。2023/08/03
Book shelf
4
訳者が最後に「天文考古学に関する優れた本」と評価しているように、ありそうでない本格的な天文考古学専門書。難解な部分もあるが全体としては読みやすい。天文考古学という切り込みで世界各地の代表的な遺跡をみるとこのような見方になるのかと思うところが多かった。農業に役立つ太陽・月・星の運行だけでなく、権力や支配の象徴として星座のシンボル化など、天文考古学が与える役割の多さが分かる1冊。2020/06/19
志村真幸
2
著者はミラノ工科大学の研究者。おそらく世界で唯一の天文考古学のコースをもっており、本書はその教科書的なものとして書かれている。 教科書/入門書であり、まったく怪しげな要素はない(こういったテーマにはつきものだが)。なおかつ、レベルはきわめて高く、軽い気持ちで手を出すと、まるで歯が立たないことになるかもしれない。 基礎的な方法論からきちんとスタートし、最後は例題まで載っている。ひととおり読んでマスターすれば、天文考古学の研究ができるようになるかもしれない。 2019/12/16
takao
2
ふむ2018/01/22
しお
1
オカルト本ではなく、天文考古学という学問の本。その名の通り天文学と考古学(そしてさらにもっと多分野)の知識を総合して、古代遺跡の作られた意図や当時の宗教観などを詳らかにしていく。この分野を学ぶための教本を目指している部分もあるそうで、読んで楽しむというよりも知識を蓄えるための一冊。2019/06/22