出版社内容情報
内村和至[ウチムラカツシ]
内容説明
信仰を支えるものとは何か?空海の言語論、幕末期の言霊思想をたどり、妙好人の生成や江戸期浄土僧の事跡を追い、上田秋成の往生解釈、そして親鸞の「横超」をもとりあげ、信仰という情念の不可思議さにせまる。正統からはずれていった者たちの宗教テクストを精緻に読み直すことでたどりつく、傍流の日本精神史。
目次
メディアと他者―テクストのアルゴナウティカ
第1部 日本的言語観の基底(空海・メディアの形而上学者―『声字実相義』;“五十音思想”素描―『五十音和解』;フィクションとしての妙好人―『崑崙実録』)
第2部 往生する身体(忘却の反復―『春雨物語』「二世の縁」;ある念仏行者のドキュメント―『待定法師忍行念仏伝』)
第3部 記述される信仰(地獄極楽見聞記・注釈―宝洲評注『孝感冥祥録』;捨聖と学僧の境界線―『無能和尚行業記』)
第4部 テクストと超越(宝洲槃譚―江戸中期浄土僧の足跡;「横超」論―カタルシスなき身体)
“よむ”をめぐって―不可視の他者へ
著者等紹介
内村和至[ウチムラカツシ]
明治大学文学部教授。専門は日本近世思想・文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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