出版社内容情報
アメリカの治安法制の歴史から、秘密保護法、ヘイトスピーチ規制まで。治安法制。それは特定の集団や結社あるいは社会運動を規制する国の法律である。近代市民社会は「法の下の平等」をうたう。しかし、それは建前であり、近代国家の歴史とは不人気な集団や不穏な集団をいかに扱うかという攻防の歴史でもあるのだ。アメリカの事例をもとにしながら、国家がどのようにして自らの「敵」を定めるかという治安法制のダイナミズムを分析し、日本がいま抱えている秘密保護法、ヘイトスピーチ規制まで考察する画期的な一冊。
内容説明
進行しつづける国家と社会の再編のなかで、何が規制され、いかなる秩序が形成されてきたのか。秘密保護法やヘイトスピーチ規制にまでつながる、普遍かつ重要な問題をあきらかにする、気鋭による画期の書。
目次
第1章 第一次大戦下から「赤狩り」へ
第2章 煽動法制定をめぐる保守、リベラルの攻防
第3章 「リベラル派主導」の治安政策の登場―スミス法の制定
第4章 IWWとアメリカニズムについて
第5章 九・一一と愛国者法の制定
第6章 一九九〇年代における治安法の制定と政治秩序
補論 特定秘密保護法制定とヘイトスピーチ規制―社会統制をめぐる日本国家の変容
著者等紹介
木下ちがや[キノシタチガヤ]
1971年徳島県生まれ。中央大学法学部夜間部卒、一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学(社会学博士)。専攻は政治学。現在、明治学院大学、千葉大学などで非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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