内容説明
『マルテの手記』『ドゥイノの悲歌』『オルフォイスへのソネット』の詩人はなにをうたったのか。ルー・ザロメ、トルストイ、ロダン、セザンヌ、バルテュスとの出会いを描き、東西のリルケ研究を博捜、原詩を丹念に読み解く、第一人者によるリルケ研究の精髄。
目次
1(折々のリルケ―日本での受容史と今;マルテとクリストフ・リルケ―追憶の賦;詩人リルケ渾身のセザンヌ接近;バルテュスとリルケ;旧東ドイツにおけるリルケ観の諸相)
2(詩「秋」と「秋の日」―朗読する詩として;詩「メリーゴーラウンド」―グリュンバイン講演を参考に;詩「ゴング」―未完のポエティックス)
3(リルケ現代の吟遊詩人)
著者等紹介
神品芳夫[コウシナヨシオ]
1931年東京都生まれ。東京大学大学院独語独文学専攻博士課程修了。東京大学教授、明治大学教授を歴任。2005年、編著『自然詩の系譜―20世紀ドイツ詩の水脈』(みすず書房)にて第5回日本詩人クラブ「詩界賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
4
とくに第一部がありがたかった。日本におけるリルケの受容史。丁寧にまとめられている。2025/05/11
Y.Yokota
3
リルケに対する日本やドイツの受容についての論考、いくつかの詩についての考察と、半分ほどはリルケの生涯についての評伝です。筆者も書いているように、ロダンなど特別な存在を除けば、リルケにとっては女性が重要な存在であることがわかります。一面見れば女性遍歴がすごい色男ですが、彼の芸術と芸術観にとっては必要不可欠であったのだろうと思います。女性とか愛をテーマにしてたからとかいう訳ではなくて、それらを通して、通常自分たちが見るものとは別のものを見ていたんだと思います。2020/06/17
浦和みかん
2
リルケについての評伝。リルケの詩を引用しつつ生涯を追っており、交友や思想について簡単に知ることができる。2016/02/17
広野
0
「詩人リルケ渾身のセザンヌ接近」まで読了。 「マルテの手記」が分からなすぎたけど、この本のおかげで部分的に納得した。2021/10/20