内容説明
昭和の日本には、かくも偉大なエンジニアがいた!東大工学部にはおどろくべき天才がいた。彼は日本の産業発展に多大なる貢献を果たし、そして、多くの後進を育てた。「工学部の語り部」が後世に伝える、ある偉人の物語。
目次
東大工学部三〇年に一人の大秀才
森口教授の超多忙な生活
大秀才を取り巻く人たち
宇宙人集団
大学院―学部の付け足し組織
森口帝国
帝国の難民
森口研究室・大手町分室
スタンフォード大学
スーパースターたち
工学博士号
停年退官
遅咲きの大スター
引退後の森口教授
森口教授の晩年
著者等紹介
今野浩[コンノヒロシ]
1940年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部応用物理学科卒業、スタンフォード大学大学院オペレーションズ・リサーチ学科修了。Ph.D.工学博士。筑波大学助教授、東京工業大学教授、中央大学教授、日本OR学会会長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のぶ
4
芸能界内幕暴露本はよく見かけますし大学教員が主人公の小説もまあよくありますが、本書(のシリーズ)は(恐らく)今までになかった大学界内幕暴露本です。ヒラノ教授ご本人を含めて何人かは(ほぼ正体まるわかりの)芸名での登場ですが、多くの人物を実名で登場させています。ところで、私がプログラミング言語というものを最初に学んだのが、本書の主役である森口氏による教科書を通じてでした。今思えば、概して東大の人の書いた本を使いたがらない京都の大学ですら森口本をテキストとして採用していた訳ですね。やはり森口氏はすごい人だった。2015/08/31
takao
3
(森口教授の7つの教え) 1.納期は守ること。 2.本は買って読むこと。 3.索引のない本は読まないこと。 4.偉い学者の話は、内容がわからなくても、聴きに行くこと。 5.桁を間違えるのはエンジニアの恥。 6.仲間の悪口は言わないこと。仲間から頼まれたことは極力引き受けること。 7.秘書やお見合いで結婚相手を選ぶときは、一人目の候補は見送ること。10人位候補がいれば、一人目、二人目は見送って、3人目以降でそれまで誰よりいい人が現れたた、その人で手を打つ。 森口教授は30年に一人の天才2018/08/02
Kiyoshi Utsugi
2
今野浩の「工学部ヒラノ教授と昭和のスーパー・エンジニア 森口繁一という天才」を読了しました。 久しぶりの工学部ヒラノ教授シリーズでした。 森口繁一先生は、そう言えばFORTRANやC言語の本でお見かけしたことを思い出しました。 東工大の教授であった今野浩さんは、森口研究室の出身の方だったのですね。初めて知りました。 この本の中では、森口繁一が中心ですが、他にも近藤一夫、伊理正夫、竹内啓、近藤次郎、甘利俊一といった、その道の大家の方が登場します。2019/02/16
SS
2
30年と20年をたして50年に一度の秀才コンビ。20世紀始めの物理学ではないが才能が一斉に花開く。(Soilと伯楽が重要)あぁ、美しきかな師弟愛。2015/06/27
Ted
1
'15年6月刊。○著者の恩師の評伝。森口教授のエンジニア向けの7つの教えは他の分野の仕事でも大いに役に立つが、最後の「候補者選び」の原則だけは大いに疑問が残る。この最適解を数学的に導こうなどというのは浅はかなことで、それよりは何人目であろうと自らの動物的直感に忠実に従うのが一番よいと思う。2021/01/17