内容説明
「一つめ小町」を旅のお守りにしている。表通りから一つ裏手に入ること。そこにはきっと「小町娘」が待っている―。町に暮らす人が日々目にしている景色・建物からにじみ出るオトナの味わいを、丁寧に紡いでおみやげ話に。イケウチさんが見つけてきた、とっておきの40の町のおみやげ話。
目次
1 影法師たち(控訴院の飾り―北海道・札幌市;だるま塚―宮城県・蔵王町平沢 ほか)
2 三等郵便局(観慶丸商店―宮城県・石巻市;元黒磯銀行―栃木県・黒磯 ほか)
3 祭礼指南(据置郵便貯金―宮城県・白石市;○×の町―茨城県・結城市 ほか)
4 値切り方(名寄教会―北海道・名寄市;大黒さま恵美須さま―福島県・柳津 ほか)
著者等紹介
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者・エッセイスト。主な著書に『ゲーテさんこんばんは』(桑原武夫学芸賞)、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)、『恩地孝四郎―一つの伝記』(読売文学賞)など。訳書に『カフカ小説全集』(全6巻、日本翻訳文化賞)、『ファウスト』(毎日出版文化賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きあ
5
読友さんの感想に引かれて手に取り読了。町歩きの紀行本だがかなり変わった視点で色んな物を見ている。近場のスポットを回ってみようかな?2016/06/10
naji
3
旅先での思いがけない出会いを綴った随筆であった。自分の地元について記載も偶然に載っていたが、知らない事の方が多く『へぇ〜、そうだったの』というスタンスで読み進められました。また、あとがきにて著者が『旅行と旅』の違いに対して言及していたが、前者はスケジュールキッチリに途中の厄介事がない知らされた情報の確認のようなものとしている。後者は、飛び交っている情報よりも自己の五感をフル回転し、その場その場を直感的に行動するのに近いとしている。この行を読むだけでも一刻も早く旅に出掛けたいと誘う一冊であった。2015/05/04
mayumi
2
旅先のスーパーに行くと、地元ではお目にかかれないものがあって、下手な土産屋より楽しめる。共通するところがあるように思った。2015/06/25
Humbaba
1
多くの人が訪れているところだけが観光に向いている場所というわけではない。そのような人混み以外の場所にだって、見て回る価値のある場所は多数ある。そのような場所の多くはいわゆる観光地のように様々なサービスにあふれているわけではないのだが、なんとも言えないようなユニークさがある。2015/05/21
かおり
1
早起きのお供にツラツラ読み。あとがきの「旅の目的地で何するかは行き着いてから考える。スケジュールがつまっていると、より充実した旅であるかに思いがちだが、錯覚であって、ただ忙しいだけである。それに人間はどんなにどっさり廻っても、自分とかかわりのあるものにしか目を向けない。」というのに共感。旅のスケジュールを詰めすぎては、旅自体が自分の立てたスケジュールの確認作業になってしまう。読書だって同様だと思う。さまよい読み散らして出会った一冊に激しく心揺さぶられるもの。2015/05/27
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