内容説明
「寝たきり」の過酷さや絶望とともに語られてきた難病ALS。しかしそこには、死やあきらめから遠く離れて、日々の生を紡ぐローカルなケアの歴史と、人類の未来への叡智がある。ALSの母親の介護を経て支援者として活動をつづける著者が重ねた、さまざまな立場で「生」を実践・支援する人びととの対話。
目次
1 在宅人工呼吸療法の黎明期を生きた男の遺言
2 在宅人工呼吸療法の繁忙期を生きる女たちの証言
3 支援者になっていく
4 生きのびるための、女子会
5 QOLと緩和ケアの奪還
6 難病ケアの系譜
7 「正しい」で世の中が変わらないときに、何が有効か?
著者等紹介
川口有美子[カワグチユミコ]
NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会副理事長、有限会社ケアサポートモモ代表取締役、日本ALS協会理事。2013年立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。2010年『逝かない身体―ALS的日常を生きる』(医学書院、2009)で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。重度コミュニケーション障害をもつ人のQOLと意思伝達方法の研究に従事しつつ、全国規模でALSヘルパー養成研修事業及び介護派遣事業所の開設を支援している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Our Homeisland
19
実際にお会いいただいたこともある川口さんの本、「逝かない身体」に続き、これも読み終わりました。川口さんと中島先生との対談が特に興味深かったです。私がALSを知ってからは1年半ほどですが、ここまでに、医療、ケア、患者とご家族、いろいろと経て、いろいろな議論や、それぞれの戦いを経て、ここに至った様子がよく分かりました。まだ、現時点でも問題は非常に多くあると思いますし、いろいろな意見が出ているということも分かりました。患者とご家族が、少しでも生きていきやすい社会の実現を希望します。2015/06/22
tu-ta
4
追記やコメント欄にメモいくつかあり。川口さんの対談集、ようやく読了。ぼくにとっては医師中島孝さんのところが圧巻だった。GWにメモも書けるかなぁ? そういえば、川口さんが先日この医師とトークイベントをやっていた。行けなかったのだが、彼女が彼とのトークをパブリックにやりたいと思うのはよくわかtったし、これを読んでそれを聞きたいと思う人も少なくなかったかも。 2015/05/02
takao
2
ふむ2023/02/03
銀狐
2
著者、中島先生ともにお目にかかってお話しさせていただいているが、対談を読むとその根底にあるポリシーがより理解できる。HALの治験、IPS細胞の可能性など今後の医療発展とそれまでの間に発病、治療をする患者のケアに必要な考え方を学べる。立ち遅れている行政に私ができることは何なのか・・2017/03/30
アシ原
1
デメリットだけを挙げることが現実的なのか。「つらいし苦しいし痛みもあるけれど、嬉しいこともあった。日々の楽しみもある、生きていてよかった」と思える可能性をなくすことにならないか。 正しい選択をしたい、延命は残酷な仕打ちかもしれない、いずれは自分に来るかもしれない未来への恐怖。全部がない交ぜになった中にいると決断にスピードが欲しくなる。 でも全ての方法を試していない内は模索をつづけるしかないと思いました。2015/05/15
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