内容説明
「ホモ・サケル」シリーズで権力作用の系譜をたどると同時に、現代の国家的暴力にも抗するアガンベン。長大な視野のもと、政治のみならず言語・倫理・芸術など無数の領域を横断するイタリア現代思想の核心に迫る決定版入門書。
目次
第1章 言語と存在の否定性
第2章 インファンティアと考古学的方法
第3章 潜勢力と「到来する哲学の任務」
第4章 政治―剥き出しの生と主権的権力
第5章 身振りの故郷―芸術と映画
第6章 文学という実験室
第7章 証言とメシア的時間
著者等紹介
マリー,アレックス[マリー,アレックス] [Murray,Alex]
エクセター大学人文学部上級講師
高桑和巳[タカクワカズミ]
慶應義塾大学理工学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
15
政治、言語、芸術と広範に渡るアガンベンの活動を概観し全体像を描き出している。彼の思想は言語と意味、制度と人間の生などの間隙に存在する否定的なもの、世界の分裂に着目しながら潜勢力を解き放ち、現行の権力構造を機能停止させることを一貫して志向していて、その先に無為の、あるがままの共同体というものの実現を目指している。デリダの脱構築との類似性も度々指摘されるが、破壊し救済する、という批評のスタイルやメシアニズムへの関心などベンヤミンからの影響が最も深いと感じられた。要約と読書案内もあり2015/02/24
吟遊
7
アガンベンは邦訳著作だけでも20近い?という精力的なイタリア思想家。現役。ばりばり書いているらしいので、これの原著が英語で2010だが、また状況が変化しているかもしれない、とのこと。(訳者より) 肝心の内容だが、アガンベンに詳しくないものの、章ごとに観点を変えてぐるりと包囲するように包括的に捉えよう、説明しようという姿勢が良心的だと感じた。ホモ・サケルに興味津々になりました!2016/06/26
hakootoko
4
『スタンツェ』も良さそう。幅広く、強弱をつけず、網羅的に本書出版年までのアガンベンの仕事を、言語の問題として紐解く。2020/09/07
ゆりのすけ
2
アガンベンの思想は多岐に渡っていて、簡単には理解できないようです。しかし、言語に関する興味から出発し、アクチュアルな話題にまで関わってくる彼の思想に少しでも近づけたかな。2014/12/31
クラウド
0
アガンベンの思想の多角性、捉えがたさがこういったガイドブックを読むと分かってしまうのが難しいところ。 現代政治のもつ、排除性や加害性にもかかわるような「ホモ・サケル」や「剥き出しの生」といった概念はなんとなくつかめたような気はしたが……2024/01/09
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