内容説明
大自然に展開される愛と生命のドラマ。鳴き方の訓練を受けずとも必ずホーホケキョと第一声を発するウグイスのヒナ。オスに美の競演を強いるクジャクのメスの思惑とは。オジさんのほうがモテるカエルの社会。つがいで飛行するトンボたちは相思相愛の仲なのか―。生き物たちの大胆不敵なサバイバル戦略に、生命の不思議と驚異を目撃する。
目次
プロローグ 人間にとっての「自然」とは何か
1(街のなかのモンシロチョウ―人と自然;自然とどうつきあうか;イヌが聞く音について;擬種としての文化をめぐって)
2(生き物たちの生き方;利己的遺伝子と文化)
3(東北弁と映画館―私の外国語修得法;『ロビンソン・クルーソー』の凄さ)
エピローグ わけの分からぬぼくの「読書」
著者等紹介
日高敏隆[ヒダカトシタカ]
1930‐2009年。東京生まれ。東京大学理学部卒業。専攻は動物学。京都大学理学部部長。滋賀県立大学初代学長、総合地球環境学研究所初代所長などを歴任。ティンバーゲン、ローレンツ、ドーキンスらの日本への紹介者としても知られている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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surucucu
6
利己的な遺伝子に関連した講演録が複数あってかなり助長的ではあるが、学習の仕方が遺伝子によってプログラムされていてその遺伝的プログラムの具体化のされ方が文化となっているという話は興味深かった。終章のエッセイでは日高さんのちょっと変わった外国語学習遍歴が綴られており、疎開先の東北弁の勉強を「んだす」などの言葉を独自の音標文字で書きとるところから始めたというのは面白い。比較言語学を学んだ話は上記の遺伝的プログラムとも通じていて、プログラム通りに行かない人生の面白さが感じられた。2021/11/06
うずら
6
表紙にも魅せられました。日高敏隆さんの本を読んでいると心が穏やかになる。暖かくなったら虫を見つけに行かなくちゃ。2016/12/03
ねるねんこ
1
科学とは芸術のようなもの。 ウグイスの子どもはウグイスの声を聞いたときにだけ学習回路が開くー本能と学習の不即不離の関係。 人間の子どもはもともと異世代集団の中で学習するーサル。 空き地のない現代の問題。2019/09/27
メイロング
1
同じ話が繰り返されてウザいのは編者のせい。全集に収められてない話となると、こうなるわけか。最新刊にこだわらず、まず文庫を征してこなくては。それでもこの単行本は上級者向けだと思うなあ。2015/01/06
にゃお
0
幾つかの講演会の内容を書き起こした物が収録されているので、話が被ってる部分があり、そこは読み飛ばした。もし子供の頃にこういう話を聴く機会があったら、その道に進んでたかもなと思った。2023/08/10