出版社内容情報
水とその管理が発展した歴史と考古学的知見を駆使して語られる、新しくも鮮やかな古代世界の全貌。水――それは、人類にとって欠くことができないもの。ゆえに、人類の歴史は有史以前から水との戦いだったと言っても過言ではない。古
内容説明
有史以前から人類は水との戦いを続けてきた。古代の支配者たちは自らの権勢をより強くするために潅漑システムや水管理の技術を高めようとし、一方で、水の管理に失敗した数多の文明が無残にも崩壊してきた。これからも続く水との戦いにおいて、私たちはその歴史から何を学ぶことができるだろうか。認知考古学の第一人者が綴る、人類と水とのめくるめく興亡史。
目次
渇き―過去を知り、未来の教訓とするために
水革命―レバント地方における水管理の起源(一五〇万年前‐紀元前七〇〇年)
「黒い畑は白くなった/広い平野は塩で窒息した」―水管理とシュメール文明の興亡(紀元前五〇〇〇年‐紀元前一六〇〇年)
「あらゆるものの中で水は最良だ」(テーバイのピンダロス、紀元前四七六年)―ミノア人、ミュケナイ人、古代ギリシア人の水管理(紀元前二一〇〇年‐紀元前一四六年)
水の天国ペトラ―砂漠の達人ナバテア人(紀元前三〇〇年‐紀元一〇六年)
川を作り、入浴する―ローマとコンスタンティノポリス(紀元前四〇〇年‐紀元八〇〇年)
ティースプーンを手にした無数の男たち―古代中国の水利事業(紀元前九〇〇年‐紀元九〇七年)
水利都市―アンコールの王たちによる水管理(八〇二年‐一三二七年)
あとわずかで文明に―アメリカ南西部ホホカムの潅漑(一年‐一四五〇年)
「睡蓮の怪物」の生と死―水、そしてマヤ文明の興亡(紀元前二〇〇〇年‐紀元一〇〇〇年)
聖なる谷の水の詩―インカ人の水利事業(一二〇〇年‐一五七二年)
癒されない渇き―水について、過去の知識について
著者等紹介
ミズン,スティーヴン[ミズン,スティーヴン] [Mithen,Steven]
1960年イギリス生まれ。レディング大学考古学教授。人間の心の進化に注目した認知考古学の分野で多大なる功績を残している。2004年、英国学士院特別会員に選出
赤澤威[アカザワタケル]
1938年大阪府生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。東京大学大学院理学系研究科人類学専門課程博士課程中退。東京大学教授、国際日本文化研究センター教授などを経て、高知工科大学教授および同総合研究所博物資源工学センター長。専攻は先史人類学・旧石器考古学
森夏樹[モリナツキ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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