内容説明
それでも予期せぬ出来事は起こりうる―。グローバル資本主義に席巻されたこの世界では、もはや劇的な変革など不可能なのか?独裁政権や政治闘争から金融危機、エコロジー・科学技術まで、現代世界をめぐり熱く語る。中国・北朝鮮、ロシア、中東、ヨーロッパ、ラテンアメリカ…世界の混沌を突き破る34の応答。
目次
政治と責任
調和への妄執/アイデンティティへの衝動
倫理の政治化
目的なき手段―政治的実践知
「おまえなんて、おもしろい時代に生きればいい!」
コミュニズム―倫理的かつ政治的な大失策
革命の失敗なんか怖くない
新たなる世界は可能である
為すところを知らざればなり
ポストモダン・グローバリゼーションを視差的に見る〔ほか〕
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ] [Zizek,Slavoj]
哲学者、精神分析家、文化批評家。スロヴェニアのリュブリャナ大学社会学研究所教授。ロンドン大学バークベック校人文学国際ディレクター。ラカン派マルクス主義者として、哲学から文化批評まで世界の思想界を活性化しつづけている
パクヨンジュン[パクヨンジュン]
韓国釜山のインディゴ書院で、人文学の国際誌「インディゴ」編集長を務める
中山徹[ナカヤマトオル]
一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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またの名
6
「孔子は馬鹿の元祖だと思います」と韓国系のインタビュアー相手に言っちゃってる部分だけでも、ジジェクっぽさを味わいたいファン的読者のニーズは満たしてるのかも。でも、哲学的理論的な問題はほとんどテーマになってないし、理論による補強がない形で提示される考察が、現実政治の具体的処方箋を所望する人たちからすれば使い勝手の良い本なのかどうかはちょっと解らない。目立って露出が増えているジジェクの発言も何度も反復されてお馴染みになり過ぎてるので、それでも反復を享楽したい倒錯者にはオススメの本。2014/05/16
ひろゆき
2
インタビュー形式だからか、細かなところでわかりにくいところがあった。質問部分を含めて。革命の主体に関するところでは大いに疑問というか心もとないと感じたが、スラムがない(反論あるだろうが)とはいえ日本にも、生身でグローバル資本主義に対峙する人は増え続けているのだろう。ほぼ孤立のかたちであるが急速に。とにかく幅広い内容に触れていて、ジジェク自身も今後の課題として指摘しているのみで、結論めいたこと言っていないことも少なくない。だが、考えさせられることは途轍もなく多い。2016/09/07
ささみ
1
自分と他人や自国や他国の境目がいったりきたりする様子をいろんな事件や書物や映画を通して綴った本。2019/07/11
Hidekazu Asai
1
アイロニー的弁証法が多用されています。 本書を読むと、ジジェクが倫理性高い人だということがわかった。2018/12/15
林克也
1
地球上で人が生きているということへの、一つの見かたとして、かなりの部分で気付きと納得とを得られた。自分にとってたぶん2冊目、久しぶりに読んだジジェクだったが、この人の考えかたは好きです。たぶん、今、”普通”に暮らしている日本人にとっては「どうでもいい」のかもしれませんが。 いろいろと興味深い表現があったが、その中の一つ、「私は自己中心主義が悪だとは思いません。したがって、邪悪な人とは、自己中心的な人のことではありません。自己中心的な人は、ただ「自分の利益について考えている」だけです。」は、なるほど、です。2016/08/11